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俺はJKの子持ちだったのか!  作者: シマアザラシ
第3章『ミライヘノネガイ』
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3人で笑って

「ふふふっ~~ん♪ ふふふふふっんんん♪」


「おっ、絆ちゃんご機嫌だな」


「うん!! きずな、おじちゃんとあえてうれしいの! あはは、早く行こうよ!」


「き、きずな、前見て歩かないと転んじゃうよ」


 絆ちゃんは両手で俺たちと手を繋ぎながら、楽しそうに鼻歌を歌っている。うむ、子供楽しそうにしているのを見るのが気持ちがいい。


 ……実花未来がこのぐらいの歳の時は一緒に居てやれなかったからな……そう考えるとつい甘やかしたくなってくる。


『パパ、高い! 高い! あははははっ』


『そうかそうか、嬉しいか』


 その時、俺たちの前を仲のよさそうな家族連れが通り過ぎて行った。

 子供は父親に肩車をされていて、楽しそうにはしゃいでいる。


「…………」


 そんな家族の様子を絆ちゃんは羨ましそうに見ていた。絆ちゃんは物心つくころから父親を知らないらしい。おそらく……父親に思うことがあるのだろう。


 ……仕方ない。はぁ、あんまり力はないんだけどな……。


「絆ちゃん、後で肩車してやろうか?」


「えっ!? いいの!? 高いのがいい! きずな高いのがいい!」


「いや、俺そんなに身長高くないから」

 

 ぱああっと、笑顔になる絆ちゃん。

 まあ、この笑顔だけで、頑張る価値はあるだろう……でもぎっくり腰とかにならなきゃいいな……。


「あ、あの……店長……」


 由衣がいつもの強気な態度をなりをひそめて、おずおずと俺に話しかけてきた。よく見れば顔が少し赤い気がする。何かを恥ずかしがってるように感じがする。


「ん? どうしたんだ? はっ……! まさか……俺みたいな中年が幼女と一緒にいると誘拐犯に見えるとか!?」


「ど、どこまで卑屈なんですか。そうじゃなくて……まるで、夫婦みたいだなぁ……って」


「おい、さっきから声が小さくて聞き取れないんだが……」


 まったく、今の若いやつはコミュケーションの重要性を何もわかってないな……っと、口うるさい上司みたいなことを考えてると、由衣はキッとこちらを睨む。


「はぁぁ、なんだか私だけ気にして馬鹿みたいです。もう気にしないことにします!」


「お、おう……」


 えっと……だから何が?


「おじちゃん! おじちゃん! かたぐるま! かたぐるま!」


「もうっ、絆、後でって言ったでしょ?」


「えええ、まんま、で、でも……かたぐるま……」


「あはは、今でもいいぞ? 待ち合わせまでまだ時間あるだろ?」


「えっ? ええ、15分ぐらいは……でも、いいんですか……? 店長体力ないのに」


「うっせえ、このぐらい大丈夫だよ。その代わり肩車しながら歩くのは危険だからやめとくか。ほら乗っかれるか?」


「いいの!? おじちゃんだいすき!!」


 俺が通路の端により、しゃがみ込むと、絆ちゃんは喜んで俺の首に足をかける。しっかり足を固定してることを確認するとゆっくりと立ち上がる。


 よし、絆ちゃんは思っていたよりもずっと軽い。これなら腰への負担も少なそうだ……。


「わあああああああああ! たかーい! たかーい!!! あははは」


「おいおい、危ないから暴れるなよ」


「うん!!!」


 俺は安全に絆ちゃんに気を使いながら、そのまま人の流れを見る。


(少し目立っている気もするが……まあ、絆ちゃんはとてもご機嫌みたいだしいいか)


 のんびりと人の流れを見ていると、由衣がスマホを手に話しかけてくる。


「えっと……店長、しゃ、写真とってもいいですか?」


「えっ……?」


 あんま写真とか好きじゃないんだが……。


「まんま! とって! とって!」


「まあ、いいぞ」


 俺がそう言うと、由衣は嬉しそうに写真を撮り始めた。

 無粋なことは言うまい。こういう空気を読むスキルは社畜の時に嫌というほど学ばされたからな。


「ふふふっ、絆と店長可愛い♪」


 可愛いは勘弁してくれ……そんな歳じゃねぇよ……ん? あのおばちゃんこっちに近づいてくるな。なんか用か……?


「あんたたち! ふふっ、いいわねぇ、微笑ましくて。あたしが3人の写真を撮ってあげるわよ! ほらっ、奥さんも入りなさいよ!」


「奥さん!? えっ、わ、私は……えっと……お、お願いします」


「任しといてよ! あたしゃ、若い頃はカメラマンを目指してたんだからっ!」


 由衣が赤くなって否定しようとするが、すぐに笑顔でおばちゃんにスマホを渡し、俺の方に駆けてくる。


「お、おい、いいのか? 否定しなくて」


「べ、別に…………」


「まあ、今回だけの縁だから、無理して否定するのも変な話か」


「…………」


 由衣は俺に寄り添うと、カメラに向かって笑顔を向ける。

 その顔には様々な喜びの感情が浮かんでるような気がして……ドキッとしてしまう。


「ほ、ほら、店長も笑って下さい」


「あ、ああ!」


「きずなもにっこり!!!」


「はい!! チーズ!!」


 俺たちは3人で笑い写真を撮ってもらう。

なんか言いようのない照れくささがあったが……不思議と、悪い気はしなかった。

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