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俺はJKの子持ちだったのか!  作者: シマアザラシ
第2章『夢見る時間』
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一夜明けて(3)

 それから俺は自分の家にコートを取りに戻った。

 その時に既に起きていた実花未来に詰め寄られたんだけど……たくっ、あいつら、昨日家の前で待っていて、無理やり家に帰したのをかなり根に持ってやがった……。


『パパ! 昨晩はお楽しみだったんだよね!? ずるい! これから私たちともお楽しみしようよ!』


『ええ……お父さん、私……朝帰りの理由が聞きたいです。いえ、言い訳は結構です。お父さんは昨日5Pをしていたんですよね。ずるい……ずるい、ずるい、ずるい……という訳で今日は3Pをしましょう』


 と、訳のわからん濡れ衣を着せられた。

 実花は感情がわかりやすいからまだいいけど……未来は普通に怖い。あいつ顔に感情出ねぇんだもん……瞳の色だけは色彩失うけど……。


 まあ、でも実花も突然凡人では考えつかないようなことを平然な顔でやるからな……はぁ、我が娘ながら……将来が心配だ。


 まあ、今はそれよりも……。


「もう!! 先輩遅い! どれだけ待たせるんですか!? 15分ですよ! 15分! 今の私の15分がどれだけ大事かわかってますか!? 15分あれば爆睡できますよ! 今すぐそこのゴミ袋をベッドに証明しましょうか!?」


「わ、悪い……頼むからやめてくれ」


 この2月というくそ寒い時期に待たせて、烈火の如く怒ってる葵ちゃんをどうなだめるかだ……いや、完全に俺が悪いんだけど。


「はぁ、まあ、おっぱい聖人の先輩はゆめゆめの寝顔とおっぱいはじっくり鑑賞したかったでしょうから……特別に許します。はいっ、先輩これ、ホットコーヒーです」


 葵ちゃんは不機嫌そうに缶コーヒーを投げ渡して駅の方へ歩き出す。

 突然のことで戸惑いながらも、俺はそれをキャッチし、後を追う。


 わざわざ自販機で俺の分も買ってくれたのか、ありがてえ。……まあ、この寒さですっかり冷えてるけど。


「ふんっ、その缶の冷たさは私の心の冷たさだと思ってください」


 そう悪態をつきながら自分の缶コーヒーに口をつける葵ちゃんだが、その顔は何処から楽しんでるようで、もうさほど怒っているようには見えなかった。


 葵ちゃんは怒りを引っ張らないタイプだからな……だから付き合いやすいんだけど。

 うーん、顔も普通に可愛いし……なんだかんだいって、言うこと聞いてくれるし……何でモテないんだろうか……彼氏いるとか聞いたことないし。


 ……胸がないからか。


「……先輩、何か失礼なことを考えてませんか? 人の胸見てため息つくのやめてもらっていいですか?」


「いーえ、ちがいまーす。だから、ジト目で睨むな。そんなことより」


「そんなこと!? おっぱいは重要です」


「わ、悪い……そうだった。えっと……お前聞きたいことがあるんじゃないの?」


「あっ、そうでした! 先輩とのおっぱい会議は次の飲みの席で最低4時間やるとして」


 何そのくっそ面白そうなイベントは。


「先輩に言いたいことがあるんです」


「…………」


 あ、ああ……如月のことだよな……昨日フレアさんが断片的に情報を葵ちゃんに伝えてたし……。


 その時『高校生に手を出すんじゃねぇロリコン』っていうゴミを見る視線で俺を射抜いていたからな……。

 お、怒られるのだろうか?


「……い、言いたいこととは?」


「あの、すみませんでした……」


 しかし、予想と反して申し訳なさそうに頭を下げる葵ちゃん。

 予想外の反応に俺は戸惑ってしまう。


「な、なんのことだ?」


「……ゆめゆめに先輩を彼氏役にするように強く言ったのは私なんです。ゆめゆめは最後まで渋ってて……」


「えっ? そ、そうのか?」


 言われてみれば確かに優しい明菜が知人とはいえ、ストーカー事件に他人を巻き込むとは考えずらい。


「い、いや、別に俺は怒ってないんだけど、なんでだ……?」


「そ、それは……あ、……せ、先輩とゆめゆめの仲がギクシャクしてたんで! そのためです!」


 あ、ああ、なるほど、そのためか……確かにこの件の前はめっちゃギクシャクしてた。

 理由は謎だったけど……。


 まあ、なんにせよ。葵ちゃんは明菜と俺が偽カップルをしたことを気にしてると……たくっ。


「わかった。気にするな。気にするな。お前が俺らをおとしいれるなんて思ってねぇから。どうせ俺のことを思ってくれたんだろう? ありがとうな」


 俺が笑顔を見せると、葵ちゃんも一瞬ぱああっと笑顔を見せるが、何か思い当たったのか、すぐに呆れ顔になる。


「先輩……女の子に対する、そういう態度がいけないんですからね」


「えっ? な、なんで俺怒られてるの……?」


「べえええっだ。知りません、自分で考えてください」


 葵ちゃんはどこか嬉しそうに舌を出しながら前を歩く。な、なんだ意味がわからん……。

 一体どういうことなんだろうか……おっちゃんにはわからんよ……。

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