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俺はJKの子持ちだったのか!  作者: シマアザラシ
第2章『夢見る時間』
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夢のバレンタイン(18)

   ◇◇◇


 一方その頃、川島家マンションの廊下にて――。

 とりあえず外に出た明菜、未来、実花は義孝の行き先について頭を悩ませていた。


「パパ、本当にどこに行ったんだろう……電話かけても出ないし……」


「本当ですね……見当もつきませんが……あの慌てようはただごとではないように思いますが……」


「……はぁぁぁぁ、わ、わたしが本に夢中になっていたから、呆れて出て行ったんですかね……あ、あわわわ、義孝さんに嫌われたらどうしよう……」


 この世の終わりの様に落ち込む明菜。目の端には涙をため、人目がなければわんわんと泣き出しそうだ……。それに対して実花は慰めるように言葉を発する。


「大丈夫だよ! 私のパパだよ? エッチな本を夢ちゃんが読んでたからって絶対に嫌うなんてことありえないよ! むしろ、興奮して好感度がうなぎのぼりだよ!」


「えっ? ほ、本当に……?」


 明菜がほっとしたような声を出すと、未来もそれに頷く。


「お姉ちゃんの言う通りだと思います……お父さんに限ってそんな理由で嫌うなんてありえないです。もし、そのような性格なら、お姉ちゃんはとっくに追い出されてます」


「あ、あはは……み、未来ちゃんに言われたくないかな……」


「? なぜでしょう。全く心当たりがありません」


 ジト目で空笑いをしながら実花は未来を見るが……見られている本人はどこ吹く風か、気にする様子もなく、話題を切り替えようとしていた。


「ともかく、お父さんがどこに行ったのかが、気になりますね……夢野さん、何か心当たりはありますか……?」


「う、うーん……」


(そ、そう言われても本に夢中で……うぅ、な、情けないですぅ……あ、でも……そういえば――)


「義孝さん……電話してました……。誰かからかかってきて、ベランダに出て電話してたような……」


 明菜の言葉を聞くと姉妹は驚いた顔を見せる。


「えっ……? こんな時間に電話ですか……? お父さん友達少ないので、こんな時間に電話する相手なんていないはずですが……」


「そうそう、パパって基本ボッチだし。あっ、それなら仕事の電話じゃない? パパ、社畜の神に愛されてるから」


「あ、あはは……よ、義孝さん、忙しい人ですから……」


 姉妹の義孝ボッチ論に、明菜が苦笑いをしながらフォローするが……明菜も多少は心当たりがあるので……完全否定することができないのが、辛いところだった。


「でも……電話ですか……そういえばお父さんのスマホって、通話中でも着信がかかるタイプでしたね……今も誰かと通話中なんでしょうか……」


 未来がぼそり呟く。

 それを聞いて明菜の不安は大きくなる。

 

「す、すぐに探しに行かなきゃ――」


『あれ? こんなところでみんなどうしたでござるか?』


 その時、廊下近くの階段を通りかかったアヤメが声を上げた。


 仕事帰りのようで、手にはお弁当が入ったビニールが握られている。


「あっ、アヤメちゃん、パパが行方不明なんだよ!」


「えっ……お兄ちゃんなら公園にいたよ? 暗くてよくわからなかったけど、誰かと話してたでござるよ? あ、あれ? てっきり明菜ちゃんといると思ってたんだけど……」


「……えっ?」


 明菜の脳裏に先ほど遭遇したストーカーのことが頭をよぎった。

 

(ま、まさか――くっ、わたしは馬鹿です)


「わ、わたし、ちょっと公園に行ってきます……!」


「あっ! 夢ちゃん!?!?」


 明菜は一目散に走りだし、公園に向かう。

 胸の中にある不安を拭いさるように走るが……不安は消えてくれなかった。

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