↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺はJKの子持ちだったのか!  作者: シマアザラシ
第2章『夢見る時間』
144/497

娘とデート(2)

 俺は実花未来に連れられて、とある駅ビルに来ていた。このビルは若者向けのアパレル関係の店や飲食店が多く入っており、店の値段がリーズナブルなのか、若い女の子の買い物客で賑わっていた。


 それもJKという生き物が大勢いる……。いや、俺の隣にもふたりいるんだけど。JKがいっぱいるここは異空間か何かか?


 しまった。娘たちと出かけるということで……如月とのお見合いで酒をあまり飲まなかったが……泥酔するぐらい飲んでこればよかった……。


「…………」


 まあ、結局俺が何が言いたいかというと……今すぐ帰りたい!!!

 おっさんという生き物は人生経験がある為メンタルがある様に見えるかもしれないが……実は打たれ弱い。特に若い子の一言には人一倍傷つきやすい。


 さっき車を降りた時もフレアさんが居なければその場でかなり落ち込んでいただろう……。


「お、おい、どこに行くんだよ……」


「ここの最上階です。とても景色が綺麗なの」


 今日の店選びは娘たちに任せてある。娘たちいわく今日どうしても俺を連れていきたいお店があるという……。

 のこのこと着いてきてしまったことを若干後悔している……。


「お父さん、もう少しで着くから」


「ふふっ、今日はパパにたっぷり『お礼』をするんだからっ!」


 そんな俺の心象を理解してか、娘ふたりは気を使ってくれる……すまぬ、情けない父親で……でもこの空気だけはどうにも慣れない。


 あの女子高生の集団とか『ここにキモ親父がいるよマジでウケルwwww』とか、内緒話をしているような気がする……。


 被害妄想もここまでくれば病気だ……。


「パパっ! 着いたよ!」


 駅ビルの最上階に連れてこられ、どうやら目的の店みたいだ。

 可愛らしい外装のお店が多い中、目的の店は黒を基調とした高級感がある店構えだ。店前は、多くの女性客やカップルで賑わっており、一目見ただけで人気店なのがわかる。


 でも、よかった……少ないとは言え、男も数人いる。だけど、どいつもこいつも若いな……30代以上なのは俺だけっぽい。


「ここか? えっと……ケーキバイキングか……?」


「うん! ここ雑誌とかにも載ってる人気店なんだ! 予約なかなか取れないんだよ?」


「ふふっ、お姉ちゃんが頑張ったんです」


(なるほど……女ってのは甘いものが好きだな……甘いものよりもおもしろさを取る美奈は変人だったんだな。やっぱ)


 そんな能天気なことを考えながら店の前に置いてあった看板を見ると――。


(はっ……? 1人9200円……? け、ケーキバイキングって高いんだな……。この店が特別なのか? まあ、偶にはいいか……)


 ……看板には『テレビでも有名なパティシエが作った最高級チョコフェア』と書かれている。なるほど風俗と同じか。

 安い人は安いと感じるが、高いと思う人には高いと感じるという……なるほど。


 確かに俺もソープが60分指名代込みで9200円だったら。死に物狂いで予約する。


「パパから邪な考えを感じるよー。ふふっ、ここは2時間9200円だよ?」


 うっせえ、いやらしい言い方すんじゃねぇ。風俗に行きたくなるじゃねぇか。

 とっ……ここで立ち止まってると、他の客に迷惑だな。予約してるならさっさと入るか。ここは前金制か?


 俺は財布を取り出すと――。


「待ってください……なんでお父さんがお金を払おうとしてるの?」


「えっ? だってここって前金制だろ?」


「そうだけど! ここは私たちが払ってあげるね! 娘からのプレゼントなんだから! パパへの日頃への感謝! あはは、このためにアルバイト頑張ったんだからっ! あっ! あとでプレゼントもあるからねっ!」


「えっ……?」


「……お爺ちゃんに頼るのも違う気がしたので。お金は自分たちで用意しました。私は学食でのバイト代と、ファミレスで働きました。ふふっ、人生で初めての給料はお父さんとご飯を食べるって、ずっと決めてたの」


 無表情ながら、少し照れくさそうに未来が言う。


 そ、そういえば……こいつら最近土曜日とかどこかに出かけてたな。てっきり遊びに行ってるんだと思っていたが……。


「…………」


 娘たちが俺のためにバイトをして……サプライズを……。

 やばい……純粋にここ最近で一番嬉しいんだが……。


「そ、そうか……でも、いいぞ。お前らが稼いだ金なんだから、自分で使えよ。ここは俺が払う――」


 俺が自分で払おうとすると、実花が手でバッテンを作る。


「ぶっぶっぶ~~~。パパの行動はお見通しだよっ!」


「そう言うと思ったので、予約の時に先に払ったの。ほら、お父さん早くお店に入りましょう……」


「お、おい、引っ張るなって」


 俺はふたりに店内に引き込まれた。

 ……娘たちの気持ちが心から嬉しい。俺も歳かな……軽く泣きそうだ……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。