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俺はJKの子持ちだったのか!  作者: シマアザラシ
第2章『夢見る時間』
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お嬢様からの贈り物

   ◇◇◇


 如月とのお見合いが終わり……12時過ぎ。


俺は実花未来との待合せ場所までフレアさんに車で送ってもらった。手間をかけるのも迷惑だから断ろうとしたら――。


『ふぅん、貴方は将来の妻に恥をかかせるの? いいから、車に乗りなさいな。フレア、無理やり車に押し込みなさい』


 と、いうお嬢様の一言により、俺はフレアさんに連行された。


 いや、その気持ちは嬉しいんだけど……この車はなぁ。エンジン音はとても静かで車内も広いので、とても快適だ。快適なんだが……どうしても目立つんだよな。


 真っ黒なスモークガラスの外国車で、運転してるのがドレッドヘアーのいかついお姉さんだもんなぁ……。


 案の定、目的地の駅前に到着して、車から降りるとすごい注目を向けられる。


 しまった……もっと人の少ないところに止めてもらえばよかった……。

 近くにいる女子高生たちがこっちをめっちゃ見てるし……。


『ええ―、芸能人が出てくると思ったのに普通のおじさんが出てきたね』


『なんかがっかり~。アイドルが出てくると思ってたのにぃー』


『きゃはは、あのオヤジ、全然車と釣り合ってないよねー』


 おい、聞こえてるぞ。怖いもの知らずだな……もし俺がやーさんの親分だったらどうするんだよ。まあ、実際違うから問題ないんだけど。


 でもなぁ……扉を開けてくれたドレッドさんが怖い顔をしてる……。


「義孝様、あの無礼者たちは如何致しましょうか? 義孝様がお望みになるのならば、如月家の暗部が仕事をすることになります」


 フレアさんは落ち着いた声でさらりとそう言う。もっとも……声にのっている感情は冷たさしかないけど……。


 ま、待て、他人の人生を左右するような大きな決断をサラリーマンの俺に押し付けるなや。


「こ、子供が言ったことだ。気にしてないから」


「おお、さすがは義孝様。心がお広い。さすがは如月家の御当主様になれるお方です」


「…………」


 これが頭が痛いことだ。

 もし、俺が如月と結婚すれば、俺は如月家の当主にもなるらしい……竜胆、如月、ふたつの家を収めることになる……。

 そうなれば、日本でも5本の指に入る重鎮になるらしい。


(……いったい俺の人生に何が起こっているんだ……俺ちょっと前まで貧乏な社畜社員だったんだけど……)


 もちろん……俺に如月と結婚するつもりは全くない……娘で手一杯なのにそんな訳のわからんお家事情に巻き込まれてたまるか……。


 そのことは如月に黙っていると、如月にも悪いのでお見合いの席ではっきり言った。

 だが如月はそれを聞くと――。


『ええ、「現時点」で貴方が私と婚約する気がないのはわかっているわ。だからこそ、私が卒業するまでの期間が大事なの。ふふっ、覚悟しなさいな。わたくしのアプローチは少し過激よ……?』


 と、妖艶な笑みを浮かべて自信満々だった……。

 はぁ……あいつなんで俺と結婚したいんだろう……そのことを聞いても話をはぐらかされたし……。


 ……はぁ、まずい……上流階級の話すぎて対処法が全くわからない……娘たちに相談するわけにもいかないし……今度爺さんに会いに行ってみるか。

 ……あの人も元凶の1人だし。


「? 義孝様、難しいお顔をして如何されましたか……?」


「い、いえ、大丈夫です。それよりそろそろ娘たちがもうすぐ来る筈なんで、俺はこれで……」


「そうですか……本来なら護衛として、このままお供したいのですが……竜胆様のご事情に深入りしては失礼ですね」


「り、理解してくれて助かります」


 ご、護衛とか冗談じゃない……如月も日本では護衛は必要ないって言ってたし……。如月の話ではフレアさんはとんでもなく忠誠心が高く、心配性らしい。


「そうですか……それではこちらをお持ち下さい。お嬢様からの贈り物になります」


「えっ……如月から?」


 フレアさんから……英語のロゴが入った小さめの紙袋を渡される。


「えっと……あまり高い物は……」


 受け取ると心臓に悪い。正直勘弁してもらいたい……。


「いえ、ふふっ、お嬢様も女の子ですね……これはチョコレートです」


「えっ? チョコ……?」


 どうしてだ……? 娘たちへの手土産か? あいつ実は気遣いができる系の女か? ま、まあ、チョコなら受け取っても問題ないだろう……。


「あ、ありがとうございます。如月に礼を伝えてもらえますか?」


「いえ……お嬢様とお電話番は交換しておりますよね……? 直接言って差し上げた方が喜びますよ」


「え? ああ……わかった」


 あいつは電話1本で感情が左右されるタイプじゃないと思うんだが……まあ、電話ぐらいならいいか。

 俺は軽い気持ちで頷いた。

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