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俺はJKの子持ちだったのか!  作者: シマアザラシ
第2章『夢見る時間』
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偽りの約束(2)

 俺はフレアさんの言われるがまま車に乗り、お見合い会場に向かう。


 てっきり車内に如月もいるのかと思ったが……如月は既に会場にいるらしく、広い車内には俺と、運転手のフレアさんの2人だけだ。


 この車……見た目もかなりいかつかったけど、車内も大概だ。

 テレビは勿論、冷蔵庫まで完備してやがる。


(こんなのを日常的に乗ってるやつもいるんだなぁー。住む世界が違いすぎて、何故か感動してしまう)


 そんなことを考えながら、しばらくぼっーと風景を見ていると、やがてホテルやビジネスビルが立ち並ぶ街にやってきた。

 そして、車はその中でも一際豪華な外装で目立つ『グランドワールドホテル』の駐車場に入っていった


(はぁ……やっぱ高級ホテルでやるのか……)


 爺さんと初めて来た時にも思ったが、この手のホテルは貧乏人にとっては心臓に悪い。

 ふとした拍子に壺とか壊したらどうしよう、とか思っちゃう。


 まあ、そこまで気張る必要もない。何故なら適当な説明で連れてこられた訳だし。なら、こっちも軽い気持ちで豪華な朝飯を食いに来た、とか思ってればいいかと……。


   ◇◇◇


 ……そう思っていた時期が僕にもありました。はい。


「義孝様とてもよくお似合いです」


「…………」


 俺の姿を見て柔らかに笑うフレアさん。

 俺はホテルに連れてこられた直後にロイヤルスイートルームに案内され、フレアさんに着ているものを剥がされた。


 この時、フレアさんは優しく微笑んでいたものの、フレアさんが持つ独特の怖さから、リアルにレイプされるかと思った……。


 マジで怖かった……もとよりレイプをやる予定なんて1ミリもないが、絶対してはいけないことだと悟った。


 男の俺でもそこまで怖かったんだから、女ならもっと思うだろう。そう考えると、する奴は死刑でいいと思う。マジで。


 それでーーそんな心境のまま着替えさせられた服も問題で……一言で言うなら俺みたいな凡人が着ていい『スーツ』ではない気がする。


「えっと……フレアさん。無粋なのを承知で聞きますが、これおいくらですか?」


 俺が着ているダークスーツは生地が俺が着ていたスーツとは比べものにならないぐらい滑らかで、光沢があり、明らかに高そうなものだ。

 ネクタイピンやベルトには宝石が散りばめられてるし……。


「ふふっ、大した額ではございませんよ」


「そ、そうですか……」


 俺はホッと胸をなでおろす。

 そ、そうだよな……昨日今日あったやつにそこまで高いものを着させる訳がーー。


「フェラーリが買える程度でございます」


「脱ぐ!! 露出狂だと言われようとも俺は、パンツ一丁でお見合いに出てやる!!」


 俺は服を傷つけないように上半身の服を脱ぐ。こんなの1分1秒で着ていられるか!


「お、落ちついてください! 些細な冗談でございますーー少しだけ」


「少しだけっけってなに!?」


 俺の脱ぎっぷりに、慌てた表情を見せるフレアさん。可愛い一面もあるな。


 まあ、それもそうか。いい歳したおっさんがほぼ全裸になろうとしてるんだからな。


 セクハラで訴えられても文句は言えん。


「うぅ、私も修行が足りませんね。殿方が服を脱ごうとしただけで、取り乱すなど……自分で脱がした時や、死体、重傷者の前でも冷静でいられる自信はあるのですが……」


「いや! それのが怖いからーー」


 俺が魂の訴えをしようとしているとーー。


 ガチャ。


 突如と入口のドアが開く音がした。そちらの方を向くとーー。


「…………貴方意外と手が早いわね」


「誤解だ!!!」


 入口には綺麗に和服で着飾った如月が立っていた。如月は何故か感心した様子で俺たちを見ている。


「いえ、謙遜しなくてもいいわ。私は貴方への評価を上げているのだから」


「なぜ!?!?!?」


「だって、フレアを襲おうとするなんてそこら辺の男に出来ることではないわ。貴方でなかったら、腕の2、3本は折れているはずよ。ねえ、フレア?」


「…………」


 俺は恐る恐るフレアさんを見る。するとーー。


「…………」


 気まずそうにすっと視線を逸らされた。俺はマジで命拾いをしたらしい。


「いいから服を着なさいな。どうせ、フレアが服の値段のことについて触れたんでしょ? 確かに高いスーツだけど、破れても燃えても貴方に請求することはないから、心配しないでいいわ」


 お前はなに? さっきの現場を見てたの?

 そしてその懐の深さはなに……?

 これが上流階級か……普通に怖い。というか、なんでこいつまでこんなおめかししてるんだ?


「……何かしら? 和服姿が珍しいのかしら?」


 如月は俺にまじまじと見られたのが嫌だったのか、少しだけ不機嫌そうにする。


「いや、まあそうだな……なんか気合い入ってるなぁーって」


「それはそうよ。私も適当な格好はできないもの」


「……えっ? なんでお前まで??」


「未来さんに知られると面倒なことになりそうだったからあえて隠してたことだけどーー今日の貴方の縁談相手は私だもの」


「えっ…………?」


 こいつが何言ってるかマジでわからないんだが……。だけど、こいつはくすりともしないで俺のことを見ている……。


 えっ……マジなの?

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