↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺はJKの子持ちだったのか!  作者: シマアザラシ
第2章『夢見る時間』
131/497

お仕事を頑張ります(5)

 昼休憩も終わり、今度は洗い物の山と、懇親会の準備、さらに終われば食材の発注に、売り上げの計算をしたり、銀行に入金に行ったり、等々……。


 いやぁ~、自分で言いうのはおこがましい気がするけど、俺って結構働いている気がする。いやマジで。


 その分、調理や懇親会会場の設営などは三沢とかに任せてるけど。


 まあ、そんなこんなで気が付けば時刻は夜7時を回っていた。


「はぁぁぁぁ、やっと落ち着いた……」


 俺は事務所で一息つく、今懇親会が開始し、後は終わり次第片づけをするだけだ。


「あはは、テンチョーお疲れ。今日は中々厳しい戦いだったな」


 三沢が2人分のコーヒーを持って事務所に入ってくる。こいつも残って懇親会の片づけをしてくれる話になっている。


「由衣と新井は帰ったか?」


「ああ、嫌々だったけどな……ふっ、由比なんか、かなりのふくれっ面だったぞ」


「はぁ……何でサービス残業できなくていじけるんだよ。普通逆だろ」


 新井は気に入った相手には義理堅いけど、意外と要領いいところがあるから心配ないけど、由衣は心配だな……力の抜き方を知らない。

 なんか数年前の葵ちゃんを見てるみたいだ。


 あの時、葵ちゃんリアルに胃に穴が開いたからな……。このままだとにのまいになるぞ。


「なぁ、本人が残りたいって言っても、あの2人は無理やり帰せよ? 言い方は悪いけど、あいつらバイトなんだから、社畜になる必要はない」


「それは同感だ。あいつらに無理させるぐらいなら、生名に米炊きをさせた方がマシだ」


 ……いや、だからってエリアマネージャーに米炊きさせんなよ。はぁ……これ以上忙しくなるなら素直にバイトの数を増やすか。


 4月になると土曜日の懇親会も増えるみたいだしな……前みたいに、臨時バイトとして未来を頼るのもどうかと思うし。


「はぁ……社畜滅びねぇかな……」


「まあまあ、そんなにくさんなって。そうだ、明日休みなんだし、これが終わったら飲みに行こうぜ」


「ああ、それもいいな」


 そういえばこいつとサシで飲みに行ったこないな。うむ、偶にはそんな珍しい日があってもいいだろう。

 ……気分的に飲まなきゃやってられないのは事実だしな。


「あっ……でも2人で飲むのはまずいか」


 三沢は自分で切り出しておきながら、しまったという顔をする。おい、その反応は少し傷つくぞ。

 だけど……ちょっと意外だな。


「えっ? お前ってそういうの気にする奴だったのか?」


「いや、あたしとしてはまったく問題ないんだけど……あ、あれだよほら」


 なんか露骨に慌て始めたな……どうしたんだ?


「えっと……ああ! ふ、2人で飲みに行くと未来に精神攻撃をされるんだよ! あいつ黒魔術とか使えるから呪われるしな!」


「人の娘に無茶苦茶言ってるんじゃねぇ……と、言いたいところだが……」


 ……三沢が言うことも一理ある。いつか家の棚からご五寸釘と藁人形が出てきたらどうしよう……。


「なんか……すまん」


「あ、謝らないでくれよ……あたしも板挟みでどうしたらいいのかわからねぇんだ。あ、葵でも誘おうぜ、あいつなら問題ないぜ」


「そ、そうだな。葵ちゃんには俺の社畜理論を叩き込んであるからな。どんなに忙しくても酒が飲めるなら喜んで遊びに来る」


 ……社畜は会社の人以外との会話に飢えているからな。尻尾を振りながら来るぞ。仮に明日出勤でもな……。


 まあ、俺は明日明菜と飲みだけどな! もしかして勝ち組か!?


「なら、あたしから連絡しとくよ。よし、先に厨房のガスのチェックとかしてくる」


「ああ、それなら俺は懇親会の様子でも見てくるかな。洗い物とかあったら下げてくるか……」


 早く上がって飲みに行こう。週末なんだ少しぐらい遅く帰っても罰は当たらないだろう……。娘たちも許して――。


「…………」


 電話ぐらいするか。


   ◇◇◇

 

 俺は家に電話した後、懇親会の会場である食堂にやって来た。

 今回のパーティーは立食形式なので洗い物などを下げやすいからな。


(たく、未来のやつ……あそこまで誰と飲みに行くかを問い詰めなてもいいじゃねぇか……)


 未来いわくーー。


『お父さんも息抜きが必要です。なのでぜひ飲みに行って下さい……でも……誰と行くんですか? 誰ですか……? 葵さんですか……? 三沢さんですか……? その二人なら許可しますが……夢野さんや由衣がいるなら私も行きます』


 とのことだ。


 未成年を居酒屋に連れて行けるわけねぇだろ。


(はぁ……さっさと仕事を終わらせるとするか……?)


 懇親会の会場を見渡すと、100人ほどの人間が楽しそうに会談をしていた。その中の4分の3はここの学生だ。確か……今日は演劇部の懇親会だったな……。


(ここまでの人数が集まるとか……よっぽど有名な部活なんだろうな)


 俺はそんなことを考えながら、料理卓に向かうと空いた大皿を下げようとする。

 今回は若い学生が多いということで料理は多めに設定をしている。だが、料理の減りはいい、どうやら満足してもらっているようだ。


(よかった……この時間でこの減りは量も質もばっちりだな――)


『もし、そこの貴方』


「ん……?」


 その時、会場にいた一人の女子生徒に話しかけられた。

 小さくて可愛らしい女の子だ。身長は140センチあるかないかぐらいで……顔立ちは幼さは残るが、人形みたいで可愛らしい。なんというか、顔のパーツが黄金律で並んでいるようだ。


 そして、一番特徴的なのが気品ただよう、その存在感だ。つけている時計とか高そうだし、いいところのお嬢様みたいだ。


(勘だけど、将来……すげぇいい女になりそうな人だな……ん? というかこの女生徒どこかで……んんー、まあ、いいか)


「えっと……何か御用ですか?」


 俺がそう尋ねると、少女はまるで大事な試験前のような真剣な顔で、俺の傍に寄り、小さく口を開く。どうやら周りに話を聞かれないように配慮しているようだ。


「川島義孝さん。貴方に『縁談』の話をお持ちしましたわ。きっと、ご満足いただけるのではないかしら」


 少女は真剣な表情のまま、そんなことを言う……思考が止まる。縁談……縁談ってなんぞ?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。