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私小説 2・0  作者: 角筆夫
日常
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7/30

腐靴


 ちょっと自分でももう限界かなあという靴があって、最近、梅雨の影響で雨の中歩くと、穴が開いているのだろう、水が入ってきて、靴下がグチャグチャになってしまう。


 それでも、今朝、電機屋に用事があったので、出かけたのであるが、もう、靴下を濡らしたくないので、裸足で、そのドロドロが平常運転になっている、靴に足を入れると何かモゾモゾする。


 廊下で、靴の穴をさっと、外に向けて振ると、何とゴキブリが飛んでゆくではないか。私は自分が曲芸師になったのかと思った。


 で、それから、近くのショッピングモールの電機屋で、エアコン設置工事の手続きをして、1時間たち、流石に今の靴ではダメだろうと、



 靴下 8本 1980円

 黒い靴 3100円


 と買ったのであった。それから、家に帰って夜間まで寝ようかと思ったのであるが、途中で、サンドイッチ屋が目に入る。その店のサンドイッチが異様に美味くて、これと、トンカツ唐揚げ弁当が、私の太った原因であるが、まだ、開いていたので駆けつけた。


 野菜サンド 2つ

 ツナサンド 1つ


 が残っていたので、それを買う。野菜サンドは、胡瓜とトマトのサンドだと思ってほしい。お店の人たちが売れ残りだったので、大層喜んでいた。


 昔に、違うサンドイッチ屋に行った時は、私を見かけると、値引きして売ってくれたが、世知辛い世の中、そんなことはもう起こらないのであろう。


 それにしても、もう、このベッタベタのベッタラ漬けみたいな靴を履かないで済むかと思うと、安心したのであるが、まだ足がモゾモゾする。


 もう片方の靴を逆さにして振ると、小さ目のゴキブリが出てきたではないか。ちょっと信じられない。奴は、U字溝に向かって逃げてゆく。


 もっと早く買い替えるべきだったのかもしれない。多分、半年くらい使っているのであろうか。まあ、とんでもない靴になってしまったものだ。


 私のアパートにも、ゴキブリホイホイを設置しなくてはなるまい。多分、十匹とか獲れるのではないだろうか。たまに、天井を楽しそうに歩いている。


 奴らなりの自己顕示欲?あるいは、ボルダリングをしているような気分なのかもしれない。ひゃっとして、天井を一周した奴は、王として尊敬されるのかもしれない。


 あんまり想像したくないが、そろそろその王国も崩壊してしまう時期に差し掛かっている。まさか、私の靴の中にまで遠征するとは思わなかった。

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