表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私小説 2・0  作者: 角筆夫
会食
PR
20/30

総括


「なるほど、そーゆーことがあったのね。うむ。わかった」


というと、会田鉄男は紙フキンで口を拭いた。


「でも、あんまり、ふじわらしのぶさんのエピソードと、俺のエピソード関係ないような……。何か、書くことないから無理やり水増ししてないか」

「いや。これは非常に大切なエピソードであり、何ならこの物語の主題でもあるほどなんだ。つまり、創作の起源とは何かということと、深く関係しているし、ある種のメンタルヘルスの悪さと、創作ってすごく結びついているんだよ。そして、小説家として、俺は、お前さんの四代前まで遡って、一言、総括の言葉を贈ることができるようになれたね」

「ふうん。何」

「ま、総括というよりも、あるある、ってことになるけどね。だが、このあるあるがわかることによって、お前さんの長年のトラウマというか、家族たちの生命の燃焼が見事に、一言で収納箪笥の中にキッチリ入れるように、区分けされてゆくと思うよ」

「ふうん。で、その総括って、何」

「それを、言いたいんだけど、もうちょっと待ってくれ。俺の中でも心の準備がある。果たして、この答えで合っているかどうか。合っていないかどうか。合っているなら、どう合っているのか。どこに向かっているのか。どういうシステムが作動するのか。未来への意義などを今、頭の中で考えている」

「つまり、あるある、言いたいってことか」

「うん。言いたいけど、もうちょっと溜めたほうがいいかもな。会田の家系に特徴的なのは、ある種の天才性だと思うんだよ。病気と天才は紙一重。と言うけど、まさに、統合失調症者の社会的な役割の意義があると思う。ある人が言っていたが、炭鉱のカナリアに近い。真っ先に、突飛惜しもない行動を取って、周囲に警告を発するんだ。それが、多分、血筋としての統合失調症者の宿命というか、役割なんだな。天才とは、さきがける。ってことだからね。そして、血筋として、一つの傾向があるわけでしょ!あんたの家系には。一つのメッセージがあって、それを受信したわけよ。それが、今、あるあるとして、俺の口から出るってことだ」

「はい。わかったから、早く言えよ」

「じゃあ。身構えてくれよ。ショックアブゾーバーを、お前の心中に形成して、聞いてくれよ。では、言います」


私は、しばらく目を閉じてから深呼吸をして、カッと目を開けてあまり客のいない店内で、そんなに大きくならないような声で、言い放った。


「アメリカに渡りがち!!」


会田鉄男は、その言葉を目を閉じて噛み締めて、そしてこう答えた。


うっすー


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ