続編
「この私小説ってやつは、前作『ガルダン』の続編という位置付けで良いんだよな」
と会田鉄男はスパゲッティをフォークでクルクル巻いて食べながら言ったのだった。
「そうそうそう。(そう。は一回でいいな。馬鹿にされるぞ)ええっと、つまり今回は、私事を書こうとしているということさ」
「ふうん。で、俺が出てくるのか」
「(松山千春か。お前は)。うん。そうなるね。ま、やはり、宇宙で一人の親友じゃないか。な。だから出すんだよ」
「そうか。ま、そう言われて嬉しくなくはないな。うん。でも、前回のガルダンでは、宇宙が崩壊しそうになったんじゃなかったっけ」
「え?そんな話だったっけ」
「そうだよ。多分」
「多分、違うと思うけど、そういうところも含めて、私小説で貫きたいってことなんだろうね」
「続編ってわけだな」
「うん」
「なんか、俺たちさっきから馬鹿みたいな会話してないか」
「良いんだよ。作家の石田由良も言っているだろう。過剰なほどに説明しろ。って」
「今のお子様達は、説明がないと読めないからな。あと、ここまで書いてどっちがどっちだか、わからなくなってきてるが良いのか」
「良いと思うよ。だから、親友なんだろ」
「そうか。あまりにも魂の波形が似てしまうと、どっちもわからなくなるものな」
「そうだよ。というか、どっちでも良いんだよ。何なら、俺がふじわらしのぶでも、赤井クラックスでも構わないよ」
「構うだろ。作者が違っちゃっているだろ。著作権とか侵害してるだろ」
「いや。もう、肖像権を侵害しているかもしれない」
「ま、どうせ、誰も読まないから良いんだけどさ。で、今回の小説で何をしたいの」
「いや。あんまりないんだよね。小説を通して、何かやりたいってのがね」
「そうかー。じゃ、俺も困っちゃうよな。もう、話のネタがないじゃん」
「ないよねえ。はあ。それにしても、生きるって大変だよ」
「うん。特にあんたは生きづらそうだよね」
「だろう。そういうことを愚痴れるためにも、私小説ってタイトルにしてんだけどさ。あっ、でも、前に『私なんかない!』みたいな文章を書いたんだっけ」
「なくても、周辺だけはあるんじゃないの。それが仏教でしょ」
「じゃ、まあ、そういうことにしておくか」
「そうしたがいいよ。ア・カップ・オブ・ティーの精神だよ」
「喫茶か。まあ、茶を飲みなさいか」
「そうそう。人生なんて、禅問答みたいなものさ」




