感想
会田鉄男という私にとって宇宙で唯一の友人と久々に会食をする様というか容態を、この章で晒そうとしているが、しかし、こんなおっさんの対談について、誰が読むだろうか、ということはいつも私の頭のどこかにあるし、気違い沙汰だとも言えるかもしれないし、そろそろ、敵方の妖怪とかを出してバトルモノにでもした方が良いのかもしれないが、頑なにそんな阿呆を喜ばせるようなことだけはしないのが、私の良いところである。
近所のデニーズの窓際の席で、私と会田鉄男は向かい合った。会田は、近年、禿に磨きがかかっており、松山千春みたいな髭になったり、プロレスラーの武藤みたいな感じになったりしている。私の方は、ブクブク中年太りが始まっており、本当に華のない二人であるが、小説だからあんまりそこら辺のことは自分で言わないと、読者もわからないから安心なのである。
「今はどんなペンネームなんだい」
「ええっと、筆なんとかだった。あんまり覚えてないけど」
「そうか。それにしても、また小説を書き続けるとはな」
「うん。やっぱり、自分には小説しかないと思ってね」
「妖怪とか出てきて、それを倒す話になるのかい」
「なるのかもしれない。ならないのかもしれない。わからないね。明日のことは」
「なるほど。現在進行形というやつか。よくあるパターンだ」
「そんなにないだろ。僕は、普通の人が書かないような小説を目指してんです」
「それ、格闘マニアの赤井ってやつが、感想欄で「展開が怠い」って言われた時のリアクションのモノマネじゃねえか」
「そうだったっけ。知らんけど。ま、あいつもエッセイでしれっと俺のことを書いているんだから、おあいこだろう。つか、関係ないよ。それは」
「そうか。わかった。じゃあ、それは俺の誤解ということにしておこう」
「あんなハゲタンクの格闘オタクのことなんか、どうでも良いんだよ」
「バトルハゲタンクか。(つか、お前もハゲだろ)にしても、あいつの小説つまらないな」
「やめろよ。つまらないから、『なろう』に投稿してんだよ。ここで、それを言ったら、俺の方が面白いって言っている感じになって、俺の方が寒くなるからやめてくれ。そんなことはないよ。赤井クラックスさんの小説は、何かの短編を読んだけど、ちゃんと面白かったよ」
「あの人、何で、活動報告のコメント欄を閉じたんだろう」
「あ、あれは、活動報告を読むやつばかり増えて、小説を読むやつがいなくなることを恐れて、小説の感想欄で交流しようとしたんでしょ。ふじわらしのぶに粘着されるのがイヤとかじゃないと思うよ。(にしても、俺も頭薄いし……、登場人物四人、みんなハゲじゃねえか!やめろよ。気色悪い)
「そうなんだ。って、何の話をしているんだよ。業務連絡か」
「ごめん。ごめん。関係ない人のことを延々と語ってしまった。ええっと、何の話してたっけ。そうそう。




