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29.激安物件と見える嘘⑥判明!貸さない理由

アレックス・ブライト→アレク、端正な顔立ちに完璧なエスコートを見せる色男。

フィンバート・グレンドール→フィン、好青年、警察、アレクの知り合い

セルジュ・ノクス→フィンの相棒、鑑定官、アレクの知り合い。柴犬みたいな男。


 次の日、ブリジットは起きたら天気が良かったので、ずっと借りてた本を返しに王立図書館に行った。


 帰りに、運動がてらあの公園を、散歩をしていたら、また後ろから声をかけられた。


「おーい、ブリジット」


 またもや、セルジュだった。


 今回はフィンも一緒にいた。

 フィンはジョセフィーヌの散歩をしていた。


  ブリジットはふたりに挨拶を交わした。


「あら、フィンにセルジュ。二人してお揃いなんですね」


「ああ、フィンの犬の散歩のお供してる」


「ジョセは相変わらずセルジュには触ろうとするとうなってるけどね」


「でも近くを歩いても吠えなくなったから慣れたみたいです」


 誇らしげにセルジュが答える。


「ジョセフィーヌちゃんかわいいですからね。癒されますよね」


「かわいいわけではない。相変わらず不細工だ」


ジョセフィーヌが人間の言葉がわかるのか、近くにいるセルジュに唸り出す。


 セルジュは慌てて一歩ジョセフィーヌから離れた。

「ひどいね。ジョセフィーヌちゃんはこんなに別嬪さんなのにねー」


 ブリジットはジョセフィーヌに話しかけながらしゃがんでジョセフィーヌを撫でた。

 ジョセフィーヌは撫でられて気持ちよさそうにしている。


「フィンの犬友達にいい物件がないかそれとなく情報を聞こうて思ってる」


セルジュが方針を語った。


「うわっ。あいかわらずジョセフィーヌ、 ブリジットに懐いてるな」


セルジュは相変わらずブリジットにジョセフィーヌがなついているのを驚いた。


 フィンが思い出しようにセルジュに伝えた。

「あ、そうそう。セルジュが前目をつけてたあの激安物件、最近女の人が入ってたよ。

家に入る瞬間みたから。

おかしいよね、ほかの住人に聞いたけど引越しはまだらしいんだけどね」


 ブリジットが顔を上げてフィンをみて、 何気なしに聞いた。


「へえ?聞き込みしたんですか」


「他の犬友達にそこの住人もいるし立ち話だよ」


「相変わらず、すごいコミュニケーション力」


 セルジュが感心したように呟く。ブリジットは興味を惹かれたのでフィンに詳しくきいた。


「ちなみにどんな女性でした?」


「若い女性で髪は肩ぐらいでウエーブのかかった髪はめずらしくピンクだったよ」


「ピンク?!めずらしいですね。それにしてもフィンよく見てますね」


フィンもジョセフィーヌを撫でながら得意げに答えた。


「警察だからね。一瞬だったから格好までは覚えてない」


ブリジットは唐突に昨日の出来事を思い出した。


「そういえば、昨日馬車で二十分のところにあるジュエリーのチェーン店で大家を見かけましたね」


チェーン店の名をフィンに伝えた。


「.へー。その店ならここの近隣にもあるけどな」


フィンが訝しげに首を傾げる。


「そうですよね。連れの方もピンクの髪でした」


「……ピンク?」


フィンが顔を上げる。


「さっき言った、あの物件に入っていった女性もピンクの髪でしたね」


ブリジットの目が細くなる。


「王都でもピンクの髪は珍しい。しかも同地域、同時期。別人と考える方が不自然でしょう」


「つまり同一人物?」


フィンが疑問符をつけながら尋ねた。


「ええ。大家の連れの女性と、あの部屋に入った女性は同じ女性でしょう」


そう言った瞬間、ブリジットは閃いた。


今まで手に入れた情報がパズルのようにあるべきところに埋まっていく感覚だった。


「わかった」


「何が?大家が女性といたなんて不倫だろ?俺に貸さなかった大家、やつは呪われろ」


 セルジュが呪詛を吐き出す。


「確かに。倫理的に最低ですね」


ブリジットはセルジュに同意する。


「へ?ブリジット、大家に厳しくない?

確かに大家の奥さんはいい人だけどそこまで言う。親戚かもしれないし…」


フィンが弱気に大家をフォローする。


「ええ。親戚なら問題ありません」


 ブリジットは冷たい微笑みを浮かべた。


「セルジュ。あなたが借りたかった部屋は貸すつもりのない部屋です」


「それはないよー。貸す募集をかけてるのに」


フィンが ブリジットの言葉を否定した。


「では情報を整理します。その女性はまだ入居していないのでしょう?」


「ああ、引っ越しはまだだよ」と事実を再度伝えるフィン。


「つまり住人ではない」事実を再確認するブリジット。


「「……うん」」二人は頷いた。


「質問です。その女性はなぜ部屋に入れたのでしょうか?」


「何?」ピンときてないセルジュ。


「ヒントは鍵です」


「……鍵?」


「鍵を持っている人間が一緒にいたからです」


「……大家のこと?」


「ええ」


「つまりどういうこと?」フィンがさっぱり理解できずに疑問を呈す。


「つまり大家があの部屋を自由に出入りしている」


ブリジットが一つ一つ考察の説明をする。


「大家と女はここから離れたジュエリー店でわざわざ行きました。近隣でも買えるのに。

このことから彼らは近隣では見られたら良くない関係、不倫であろうと考えられます。」


「まあ、そうだろうな」頷くセルジュ。


「次に不倫相手は部屋を借りてる女性と同じでしょう。

こんな短期間に珍しいピンクの髪の持ち主が二人もいるわけないんだから」


「まあ、そうだよね」

 フィンが同意する。


「もし仮に彼女が親戚なら貸すのに募集をかける意味がありません。なので、彼女は親戚ではない」


セルジュとフィンがなるほどと頷く。


「引っかかったのは、内覧した時、

女性趣味の家具が最初から揃っている、

ベッドがやたら大きい、

内覧させるつもりもないのに鍵を取りやすいポケットに鍵をいれてた点です」


「それで?」


フィンが恐る恐るブリジットの話の先を促す。


「大家は自分の浮気相手と会う部屋が欲しかったので、賃貸として貸してるふりをしたのです。

だから募集してるけど本当に貸す気はないということです」


「な、なるほど」

フィンが感嘆の息を吐き出す。


「ちくしょー、なんとかして大家に目にもの見してやりたいー!!」


拳を握りしめて悔しがるセルジュ。


「あのインテリアはピンクの髪の趣味かもしれませんね。

あの二人の関係は、昨日今日の関係ではないのでは。しかし、このまま黙っているのは…」


ブリジットは策を練ろうと考えていた際、フィンと目が合った。


「そうだ。フィンを使いましょう」


 ブリジットはにこりと微笑んだ。だが、その目は笑っていなかった。


「へ?」






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