26.激安物件と見える嘘③物件確認→違和感?
アレックス・ブライト→アレク、端正な顔立ちに完璧なエスコートを見せる色男。
フィンバート・グレンドール→フィン、好青年、警察、アレクの知り合い
セルジュ・ノクス→フィンの相棒、鑑定官、アレクの知り合い。柴犬みたいな男。
大家が鍵を開け扉を開いた。
中に入った瞬間、広々としたリビングが目に飛び込んできた。
「広いですね」とブリジット。
日当たりもよく日光がさんさんとはいっていた。
カーテンはすでにかかっていた。花柄のカーテンである。
「家具は備え付けており、前の住人が女性であったため可愛らしい仕様になっています。
ただ、ほとんど使ってないので問題ないかと」
『前の住人は女性』
浮かぶ声。
嘘。
ブリジットはわずかに眉をひそめた。
広々としたリビングに大きめのソファがおかれており、小さなクッションがいくつか並んでいる。
「ゆったりとした間取りで使い勝手が良いんです。こちらは個室がニ部屋あります」
大家が部屋の紹介をする。
「ほう、二部屋」
「片方は寝室として使っていただくためベッドは備えつけてます。
また寝室にも一部だけ家具が揃えられてます」
ブリジットは寝室に該当する部屋を覗いた。
部屋は広いが、大きいベッドが置かれていた。
ベッドの近くはサイドテーブルとランプが置かれている。
「ベッドが大きいですね。二人でも余裕で眠れそうです」
「ベッドが備えつけがいいよな」
セルジュが羨ましそうな声をだす。
「……そうですね」
ブリジットは曖昧に答えた。
「セルジュ、女性の部屋っぽいですね」
ブリジットは小声でセルジュに伝える。
「ああ、でも家具は変えたら印象変わるので問題はない」
大家は次にキッチンの説明をした。
キッチンも十分な広さがあり、使い勝手はよさそうだ。シンクに水滴がある。
「水道はもう通ってるんですね」
つい最近使われたようだ。
ブリジットはシンクに視線を向けながら大家に尋ねた。
「……ここ、最近使われました?」
大家が一瞬否定し、すぐに肯定する。
「い、いえ。あっ。最近部屋を掃除した時に使いました。さ、こちらがもう一部屋です」
大家が、誘導してもう一部屋の扉を開ける。
中には釣り用具が置かれていた。
「あ、こちらは私の趣味の道具です。すぐ片付けます」
大家があせったように言う。
「いかがですか?静かで広くていい部屋でしたでしょ」
大家は自慢げである。
「そうですね、ここは女性専用に貸している部屋なんですか?」
ブリジットの質問に対し大家は早口に答えた。
「いえ、そのようなことはありません」
嘘でない。
ブリジットは内覧したことにより疑問が増えた。
女性専用で貸しているわけではないのに、なんでセルジュが断られたんだろう?
セルジュが嫌われてるだけ?信用がなかった?
わからない。
大家が趣味部屋として残したかった?
大家がこの部屋使っているとか?
貸す気がないのではなく、貸せない理由があるのではないか。
ブリジットは首を傾げた。
何かがおかしい。でも何が…




