23.悪意ある食卓と見える嘘①⑨その後
あの後、フィンがリサを警察に連行した。
リサは結局ジェフと主治医の殺人を認めた。
リサも殺人の秘密を守り続けることは荷が重かったようだ。
主治医の殺人には後悔しているそうだ。
刑期が開けるまでハリーとイブはあの屋敷でいつまでも待つと言っていたそうだ。
泣き叫ぶイブをハリーが宥めながら。
そんな二人を見てリサは穏やかな笑顔を見せたそうだ。
余談だが、リサはトイレに安定剤を飲みに行ったのはほんとうだ。が、ジェフの薬を捨てにもきたそうだ。そして、医師のカルテが解読されリサだけには薬の注意事項を伝えていたことが判明した。
悲しんではいたのは本当だ…しかしそれを超える憎悪を募らせていたのかもしれない。
以上がフィンから聞いた後日談だ。
フィンが家に来て話してくれた。
フィンは応接室でリラックスしている。
自分でお土産で持ってきたケーキを一緒にたべようと言って向かいあわせで二人で食べている。
セルジュは引越し先の家探しがまだ決まっていないので探しにいっているそうだ。
フィンの持ってきたケーキはホールのチーズケーキだ。チーズの王様ブリー・ド・モーを使ったチーズケーキだ。
なめらかな口溶けで広がるチーズのコク。そして濃厚なチーズと甘酸っぱい杏ジャム。
フィンは無駄に女子力が高い。文句なしにおいしい。手土産のセンスがいい。
また、フィンが尋ねても喜んで迎えてしまう。
フィンはチーズケーキを食べながらブリジットを褒めた。
「やっぱりすごいわ。ブリジット。そもそもリサさんが犯人と思ったきっかけはなに」
「きっかけですか?」
ブリジットもチーズケーキを食べながら今回の事件を反芻した。
「きっかけは違和感です。
脂っこいものが好きでないのに
チーズがかかっているパスタに更にパルメザンチーズをかけたことですかね。でも少しだけ、気づきたくなかった」
フィンの眼差しにブリジットを尊敬の眼差しが混じった。
「やっぱりすごいや。この調子で今後もよろしく」
ブリジットはフィンの褒め言葉にたいして謙遜して首を横に振った。
「いやいや。大したことはないですよ」
そしてブリジットは気づいた。
こんご?
「次はないです」
フィンは目を瞬かせた。
「いやいや、つぎもお願いします。ブリジット様、いや女神様と呼ばしてください」
フィンがブリジットに向かって祈り出す。
なむなむなむ
「や、やめてください」
ブリジットがフィンの奇怪な行動を慌ててとめた。
フィンやめて。祈ってもなにもでないわ。
私は平穏な日常がいいのよ。事件は不要!
フィンが目をキラキラ輝かす。
「女神様!」
「違います!」
ブリジットは心から叫んだ。
次はセルジュの嘘について解く予定です。
これにてジェフ事件は終了です。
お読みいただきありがとうございました。
誤字のご指摘もありがとうございます。とても助かります。




