16.悪意ある食卓と見える嘘①②心配だからな
ジェフ・ラザフォード→年配の男。傲慢。
リサ・ラザフォード→ジェフの妻。
メーガン→ジェフの秘書。ジェフの不倫相手。
イブ・ラザフォード→ジェフの娘。
ハリー・ラザフォード→イブの夫。娘婿。
若者二人→ジェフに会社を潰された家の息子。ウーズリー家?
アレックス・ブライト→アレク、端正な顔立ちに完璧なエスコートを見せる色男。
フィンバート・グレンドール→フィン、好青年、警察、アレクの知り合い
セルジュ・ノクス→フィンの相棒、鑑定官、アレクの知り合い。柴犬みたいな男。
ブリジットはワインの値段の高さに驚いた。
馬車が買えるワインが三本…しかも同じワイン。
そのうちの一本だけ毒を入れジェフだけを殺す、これは不可能だ。
店員は犯人じゃなさそうね。しかも、あの時は店員がワインをいれていないもの。
頼んだメニューを続々と店員がテーブルに運んでくる。美味しそうな見た目をしている。
「メニューって豊富なんですね」
「ああ、ここはいろんなパスタが置いてあるんだ。
昨日はラザフォード家と一緒だったからほぼ強制的に同じメニューになった」
「二人だけ違うメニュー頼むとか無理ですもんね」
事件のメニューと同じメニューを頼んだフィンが店員を呼ぶ。
「あれ?追いチーズがない?すいませーん」
レストランの支配人の男が慌てて来てアレクに尋ねる。
「アレク様、どうかされましたか」
「いや、俺ではなくフィンが呼んだ、フィン」
「昨日のジェフ氏が頼んだメニューと同じのを頼んだんですが、追いチーズのパルメザンがないんです」
「ああ、あれは追加オプションです。
奥様がご主人がチーズがすきなので追加したんですよ」
「そうなんですね。じゃあ俺も追加でお願いします」
「ラザフォード家はかなりチーズ好きなんですね」
とセルジュが相槌をうつ。
「ええ。予約していたメニューのパスタとは違うパスタに直前に変えられましたから。
ご主人がチーズたっぷりのトマトパスタが食べたいと言っていたからとのことで。
直前変更で焦りました」
「ああ、ジェフ氏はこってりとしたメニューが好きだからな」
アレクがジェフの好みを思い出して同意する。フィンは穏やかに支配人に尋ねた。
「昨日の件で何か気になることはありませんか」
「特にはないです」
支配人はしばらく考えた後、答えた。
「そうですか。何か分かり次第連絡下さい」
フィンが残念そうに言った。
「分かりました。こちらもご協力できることあれば是非力になります。
では今度こそ楽しい食事をゆっくりとお楽しみください」
支配人はフィンに全面協力を申し出、アレクにしめの挨拶の言葉をかけて去っていった。
「相変わらずアレクの権力って強いですね。支配人、アレクをすごい気にかけてますね」
とセルジュが感心する。
「アレクがいたら捜査はかどりそうだよ。
このあとメーガンの証言聞きに行くんだ。ここだけの話、彼女が犯人かもしれないんだ」
とフィンが後半は声をひそめてコソコソと話す。
「緊張しますよね」とブリジット。
アレクは視線をブリジットに向け、
「俺も行く」と答えた。
フィンが目を丸くした。
「え。心強いけど仕事は?」
「抜ける。ブリジットが心配だからな」
アレクは即答で答える。
ブリジットはどきりとした。
え、私?フィンじゃなくて?
アレクが来てくれるのは心強いわ。もしかしてもしかして、私のこと思ってくれている?
で、でも勘違いだったら恥ずかしいわ。あはは、でもアレクは私のこと…まさか。
か、かんちがいしていいのかしら。
ブリジットは一人悶々とする。いつのまにかご飯は食べ終えていた。
楽しみにしていたデザートのプリンの味はよく覚えていない。
事件もアレクのこともさっぱりわからない!!




