12.悪意ある食卓と見える嘘⑧ハリーの証言2
ジェフ・ラザフォード→年配の男。傲慢。
リサ・ラザフォード→ジェフの妻。
メーガン→ジェフの秘書。ジェフの不倫相手。
イブ・ラザフォード→ジェフの娘。
ハリー・ラザフォード→イブの夫。娘婿。
若者二人→ジェフに会社を潰された家の息子。ウーズリー家?
アレックス・ブライト→アレク、端正な顔立ちに完璧なエスコートを見せる色男。
フィンバート・グレンドール→フィン、好青年、警察、アレクの知り合い
セルジュ・ノクス→フィンの相棒、鑑定官、アレクの知り合い。柴犬。
フィンは少し驚いたように「メーガンですか?」と尋ねた。
「はい」
ハリーはとりつくろうのを諦めたのか、ソファーに座り直し、メーガンの動機を吐露した。
どうして…メーガンが。ジェフに気に入られていたじゃない。
ブリジットは納得いかない表情でハリーの話を聞いた。
「メーガンには彼氏がいます」
「居たらいいんじゃないでしょうか」
フィンは何もわかっていないのか適当な相槌をうつ。セルジュも腕を組んだまま頷く。
「しかも、婚約間近です」
「はぁ」
「婚約したらいいじゃないですか」
フィンとセルジュはピンと来てないのか似たような相槌をうつ。
フィンは短い相槌を、セルジュは婚約を肯定する相槌を。
「ジェフは知らないんです」
「はぁ」
「ジェフは、メーガンに彼氏がいること知らないんです。」
「普通はしらないよな」
「上司に伝える制度なんてないからな」
セルジュとフィンが興味なさそうに答える。ハリーは言いにくそうさに答えた。
「メーガンはジェフと不倫しています」
「「えっ」」
フィンとセルジュが言葉に詰まる。
「メーガンの彼氏はジェフとの不倫をしりません。そしてジェフは独占欲が強い」
「ということは」
フィンがハリーのいうメーガンの動機に思い当たったようだ。
「つまり……婚約を知ったら……」
「ジェフが知ったら暴露して破談にします。しかし、それだけは避けたいメーガンは…」
ハリーが、言葉を途中で止め声を顰める。
「殺したんではないでしょうか」
「な、なるほど。動機としては考えられる」
フィンはゴクリと喉を鳴らした。
「メーガンが犯人か…」
フィンは真剣な顔で呟く。
「まだメーガンが犯人と決まったわけではないぞ」
セルジュが釘を刺す。
ハリーの周囲はいつもなら浮かぶはずの文字が、ひとつも現れない。ハリーの話には嘘がない。
これはかなり大きい動機だ。
ブリジットもうんうんとうなずいた。
ジェフとメーガンの浮気を知っていたアレクはもっと何か知っているかも。よし、この話はあとでアレクに伝えよう。
ブリジットは、アレクの反応が少し気になった。
フィンはソファーから身を乗り出して向かいに座るハリーに詰め寄る。
「メーガンは有力な候補になります。貴重なご意見ありがとうございます。他に現場で何か気づいたことはありませんか」
応接室のドアをコンコンと叩く音がした。
振り向くと、ドアの前にいつの間にかイブが立っていた。
その顔は笑っていた?
「あら、楽しそうな話をしているのね。私も混ぜてくれるかしら」
「イブ、聞いていたのか」
「こっそりとね」
イブはフィンにも向き直る。
「私もメーガンが怪しいと思うわ。あの女狐をはやく追い出したいもの。警察さんなんでも聞いて。狐狩りに協力するわ」
妊婦であることを差し引いてもかなりがたいのいいイブは楽しそうに捜査の協力を申し出る。
「私もメーガンが怪しいと思うわ。あの女狐、パパにべったりだったもの」
イブの声に、わずかな苛立ちが混じっていた。




