004
時は現在へ戻る。
砂漠の真ん中で、地図とコンパスを頼りに南へ進む。
「遺跡なんて近付けばわかると思ったけど……全然それらしいものが見えてこないな」
ウェイスが言う。
地平線まで見渡す限りの砂漠。
何の建物も見えてこない。
「遺跡って、そんなにすぐみつかるようならもっと文献があっていいと思うの。もっと見つからない……例えば地中に埋まってるとかないかしら?考古学の調査だって地中を掘り起こす訳だし」
一旦戻って再調査し直そう、そう言いかけた時、ウェイスが「なるほどな」と言って地面へ手を伸ばした。
何らかの呪文を唱えると、一面の砂が舞い上がり、足元がどんどん下へと下がっていく。
「ちょっと、何これ!?どういうこと!?」
混乱して私が叫ぶと、「風と土の魔法を使って、辺り一面を掘ってるんだ」とウェイスが応える。
「そもそもこの辺かどうかもわからないし、一度戻って文献を当たり直しましょう!」
巻き上がる砂に顔を隠しながらそう言おうとすると、ズボンのポケットに入れていたオリハルコンの石が淡く光るのを感じた。
このオリハルコンは遺跡に入るのに必要とされている石で、この石の入手をてがかりに今回の遺跡の調査を進めていた。
「ウェイス待って、オリハルコンが光ってる!」
そう言うと、ウェイスは更に掘り進め「近いのかもしれない」と呟いた。




