【STO:19】幼女に餌付け出来るのもファンタジーだけ!
「魔法を使う魔導書?」
思わず聞き返してしまう。いまいち言っている意味がわからない、というよりも聞き間違いじゃないかと思ったからだ。
でもそうじゃなかった。
「言葉通りの意味ですわ。この魔導書自ら魔法を行使する事が出来るようですの」
「ええと、それはつまり生きた魔導書って事?」
「厳密には違いますわね、これはーー
「なに勝手に人のページめくってるわけ?」
思わず「えっ?」っと声が漏れてしまう。バカは気にせず肉を食べている。
「人のページ勝手に捲るのはスカートめくりと同義だからな。勝手にリーブル手に取るのも許し難いのに、ペロペロとめくるのが上乗せされてモアの心臓がバクバクして大変危険。もう指先まで魔力が充填してるのでお前達の命は長くない事はハッキリ明白。今ならまだ充填してる程度なので全力で謝罪する権利をくれてやってもよいぞ?」
本の上には小さな少女がちょこんと腕を組み見上げていた。薄紫とピンクがかったような髪に真っ赤なリボン、ネグリジェのような薄紫のローブには紋様が描かれ、淡い青い輝きを放っている。瞳は青と緑のグラデーションのかかった双眸で、その眼を細めて睨みつけていた。
「・・・なんだこの幼女は?」
「・・・この幼女がこの本の真の姿ですわ」
「お前等は出会い頭に幼女幼女と言われたロアの気持ちがわかれれないだろうが、ロアは幼女幼女と言われて相当きづついた。賠償を要求するので覚悟するべき」
ふんすと息巻きながら睨みつけてくる幼女。ちょうど来たデザートのストロベリーパフェをそっと幼女の前に置いてやる。
「ふわぁぁ・・・♪ほ、ほぉう?なかなか良い供物ではないかな?ろ、ロアは心が感心なのでこの山盛りスュクレリで許してやってもよ、良いのだぞ?」
目を輝かせ、涎を滝のように溢れさせながら生クリームの山を凝視するロリっ子。
要望通りにスプーンで乳白色の山を切り崩し、ロリっ子へと運んでやる。はたから見れば妖精に餌付けしてるように見えるんだろうなぁ・・・
「はむっ、本の知識のみだったが食べてみると実際に美味である。この味は後の世に伝えるべきなので、全部ロアに食べさせる権利をやるからはやく食べさせて!全部!全部!」
頬に生クリームを着けながらぴょこぴょこ本の上で跳ねる様子はやたらと可愛い。一瞬、「俺もうロリコンでいいや」となりかけた程だ。破壊力がヤバイ。
「その小さな身体で全部食べきれるのかぁ?どう見ても無理だろ」
いや、隣でバカデカい肉を食べてるバカは別格だよ?このロリの場合体格と同じ位のパフェを食べようとしてるからね?
「は?人を見かけで判断してはいけないってメールに教わらなかったのか?ロアを甘く見るのはやめよう?これは戒めじゃなく警告なのでシフレを吹いてカルトンジョーヌを出すハメになる」
よくわからない。まぁ多分怒ってるんだろうな。
軽くため息を吐きながらスプーンでパフェを与え続ける。
「それで、これをどうするんだ?」
「・・・どうしましょう」
半ば頭を抱え気味なコロナティア。あのコロナティアに頭を抱えさせるってある意味凄いぞ。
「ロアをこれ扱いするなよ訴えるぞ。どうせお前等の事だからロアをどうするか悩んでいるのだろうな。妙案があるのでロアが知識を授けてやる」
「妙案?」
「ロアにガトーやスュクレリを食べさせてくれる権利をやるので、お前等にロアが力と知識を授けてやる。この可愛いロアに食べさせる権利と力と知識を授かる権利を同時に得らるるのは誉れなので大変お得。お前等はロアの恩情に喜んですがるべき」
随分と自分の強さに自信があるのか、かなり傲慢な態度だ。まぁ、『魔導書の王』だし普通なのかね。
こちらとしても戦力はヘラリカだけでは心もとないし、ありがたい話ではあるのだが・・・。何だろう、このロリっ子見てると断って涙目になった顔が見てみたいという嗜虐的な気持ちにさせられる。
「へへー、ロリっ子様の恩情感謝致します」
「うむ、わかったらはやく次を食べさせるべき!・・・今ロアをなんと呼んだ?」
そんなロリっ子の返事を無視してパフェを口元に運んでやる。
・・・まぁ、断れないよな。俺のHP1だし。




