第8話 目にする (2)
「おはようございます」
「おはようございます。ミイナさん」
「よう。今日は、何のバイトにするんだ?」
「んーー。掲示板見て決めようかなあ。レティ、なんかいいのある?」
「こっちは冒険者ギルトだっての!レオン!」
「そうだったごめん!」
はっと気がついて謝る俺。
「だって、レティはこっちのギルドかと思っちゃうんだよ」
「カウンターがバイトギルドとつながっているしな」
「どうでもいいから、はやく仕事探せ!」
レティに言われなくても衝立の掲示板を見る。
「今日はこれがいいんじゃないか?」
俺が手に取ったのは本屋のバイトだった。
◇◇
雇い主の本屋は、街の中にあった。
まあまあな広さの店内に、本が飾ってある。
「本なんて読む奴いるんだな」
「レオン。あの……一応言っておくけど、教科書も本だよ?」
「ああ。だけどさあ、ここの本は、すごく高そうだぜ。」
「確かに。」
ミカが平積みされた本を軽くめくる。
表紙はハードタイプ。布おしされている。
綺麗な絵。飾りのような文字。
「教科書とは全然違うけど」
俺の言葉を聞いていたのか、店長が自慢気に寄ってきて説明を始める。
「確かに教科書よりは高いです。
でも特に表紙にに宝石が付いている訳でも、魔術が施されている訳でもないですよ。」
「宝石?」
「魔術?そんな本があるんだ……」
「いわゆる『一般向け図書』ですね。」
「これが普通の本なんだ」
「ええ。大切に扱って下さいね。
今日の仕事は、街の図書館に大量に運んでいただく事です。」




