第7話 驚く(1)
「おはよう、お兄さん」
「おはよう、ギル。行くかい?」
「ハイ! 行くでござる」
朝のバイトギルド。
二人で、二枚の求人票を剥がした。
今日は火曜日。いい天気だ。
二人は、前にも働いた牛小屋へ向かった。
「待ってたぞ! よく来てくれた」
おじさんが大きな声で手を振った。
早速、おじさんが仕事を割り振る。
「お兄さんには、前と同じく荷台を引いてもらう。牛乳瓶は重いが、頼むぞ」
「はい。分かりました」
「ギルは、今日も牛の世話を頼むな」
「任せるでござる!」
ギルは元気よく返事をした。
「ギルは......。お兄さんといたいか?」
おじさんの言葉に、ギルは小首を傾げる。
「俺っちは、もちろんお兄さんといたいでござるが......。でも、仕事でここに来ているでござる。」
ギルは、ごく当たり前のことを言った。
「仕事を決めるのはおじさんでござるので、俺っちの希望はどうでもいいでござるよ。」
「ああ。悪かった。」
おじさんは目を瞬かせた。
「変に気を回しすぎた。謝るよ。
今日は集金をするところがあるんだ。だから、配達を一緒に行きたいんだ。」
「前回は力仕事をさせちまったからな。今回は別の仕事にしようと思ったんだが、どうしたもんかと迷ってな」
おじさんはボリボリと音がする程掻いている。
「そんなことでござるかあ。俺っちは大丈夫でござる。
それよりも牛の世話でバイト代が倍になるのは魅力的でござる。」
「アッハッハ!それでこそギルだ。
こりゃ一本取られたな!」
おじさんは一瞬目を丸くした。それから、楽しそうに笑ってギルの肩を叩いた。
前回のバイトの時に、バイト代を倍出す話をしてくれたのだ。
「さあ、一丁働くでござる!」
ギルが気合いを入れて腕まくりをした。




