第6話 思い出す(4)
夕方には袋の山は全部荷台に持っていた。
「疲れたあああ!!」
「腰が……」
「俺は腕があがらん」
体の痛みを男たちは喚く。
バイトギルドに戻ると声は開放感と共に大きくなった。
明るい光が男を照らす。
「お兄さんも御苦労さん。おい。すげえ汚れてるな。」
「俺たちもだぜ」
「汗に粉がくっついて、パンダみたいだ」
「あははは。」
「風呂屋に行くかあ」
「お兄ちゃんもどうだ。行くか?」
「え、えと。私の家は川の横にあるので!」
「お兄ちゃん、川かあ。」
「すげえなあ」
「夏だから気持ちいかもな」
「じゃあ、俺たちは行くが、今日は有難うよ。
お兄さん見てたら、何だか本当に息子に会いたくなっちまった。手紙書くことにしたよ」
「俺は女房に謝ることにしたよ」
「じゃあな!」
男たちは笑いながら帰っていった。
バイトギルドに入ると、ミイナさんの声がした。
「おかえりなさい」
「おう!すげえ汚れてるな。今日は大変だったんだな」
レティも驚いた声を上げた。
「急いで帰ります」
「その方がいいわ」
お兄さんは水車小屋に着いた。
「お兄さん」
レオンがいた。
「今日はすごく汚れているね」
ミカが心配そうに顔をのぞいた。
「仕事?」
「うん。力仕事で。これから川に入る。」
「俺たちも浴びていい?」
「川だよ?」
「知ってるよ」
「今日暑かったから。」
俺たちは川に入った。
「お兄さんが無事で良かった」
「俺たち保護者だろ? 気になっていたんだ」
「ははは。ありがとう」
お兄さんは嬉しそうに笑った。
「今日はしっかり働けたの?」
「そうだね。うん。疲れたよ。
……やっぱり、一人だと緊張もするね」
「お兄さん、知らないことが多そうだものねえ」
「でも、頑張ってえらいよ。
僕たちも週末になれば、一緒にお仕事できるからね」
「うん。助かる」
お兄さんは、にっこりと笑った。
そして、川の流れに体ごと飛び込んだ。
ザブン!
「うわああ!」
「もう泳ごうぜ!」
「お兄さん、髪の毛、かきあげたほうが、かっこいんじゃない?」
レオンがお兄さんの濡れた髪をかきあげた。
「うお!かっこいい!王子様みたいな顔立ちだね!」
「なんで髪を下ろして目を隠してるの?」
お兄さんは慌てて髪で目を隠した。
嫌だったのかもしれない。
「でも、水浴びて、すっきりしたなあ。あれ、ミカ。ミカは水浴びないのか?」
「僕は拭くだけでいいんだ。それよりお兄さんの服を洗ってるよ」
「ありがとう。ミカ。助かるよ」
俺たちはお兄さんがバイトが出来るようにお手伝いするんだ。
だって、保護者だもん。
今日の夕焼けはすごく綺麗だった。




