第4話 採る(2)
「おーい!バイトの人かね?」
麦わら帽子を被ったおじさんが俺たちに手を振った。
「お世話になります!」
「よろしくお願いします」
俺とミカは大きな声で叫んだ。
お兄さんはおじさんに近づくと右手を出していた。
おじさんは軍手のままニコニコして握手した。
「よく来てくれた。バイトギルドから遠いもんで、求人出してもなかなか来てくれんだよ」
「私たちで良ければ。よく分からないので、ご指導下さい」
お兄さんの爽やかな声が流れた。
「お、おう。頼むな。じゃあ、こっちへ来てくれ」
おじさんは戸惑ったように、畑の方に歩き出した。
「なんか、お兄さん、あんなにかっこ良かったか?」
「ほんと。いつもと違うね」
「どうした?何カッコつけてんだ?」
「ええ?だって、私がしっかりしないとお金もらえないと思ってさ」
「へえ。お兄さん、カッコよくなれるんだ?」
「頑張ったんだから。」
お兄さんの照れた顔は、やっぱりお兄さんだった。
キャベキャベ畑は、広かった。
日差しを浴びたキャベキャベが、気持ち良さそうに葉を広げている。
鎌でおじさんが収穫して、それを俺たちが箱にいれて、一輪車で馬車に運んだ。
「これ、結構大変だな」
「ほんと。力仕事だ。」
見るとお兄さんは黙々と重い箱を運んでいる。
「お兄さん、すごい筋肉。」
ミカが驚いている。
「レオンとは、腕の筋肉の盛り上がり方が違うんだけど……。」
「うるさいなあ。俺、ミカには勝ってると思うぜ」
「ふーんだ!」
頑張った甲斐あって、仕事は捗った。
おじさんは昼飯のおにぎりを食べさせてくれた。
そして夕方には畑の大部分が綺麗になっていた。
「助かったよ。よかったら、また来てくれよ。」
農家のおじさんは、ギルドからの書類にサインをしてくれた。
「やったああ!」
これで書類をギルドに持っていけば、お金になる!
俺もミカもお兄さんも、大喜びでジャンプした。




