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拾ったお兄さんを就活させるけど、なぜか10歳の俺たちが保護者です  作者: 南山


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第3話 取る(4)



「なんだよ!俺たちの方が早かっただろ!」


そう言って、レオンは求人票をはぎ取った。


「そうだよ。横どりは良くないよ」


ミカは相手を嗜めた。


「そんなことないよなあ。俺っちの方が先だったと思うぜ?」


そいつは、口の端を片方だけ釣り上げた。


「そちらさんの手が、ほんのちょっと、前に、出てただけだろ?」


「こんな安い仕事、あんた達に相応しくないぜ?

な?この仕事は俺っちがもらったぜ」


そう言うと、レオンの手から紙をひったくって、ギルドのカウンターに走って行く。


「おい!何すんだ!」


走る俺たち。

逃げる『俺っち』。


広くもないバイトギルドでは決着はすぐについた。


レティが見ていたのだ。


レティはいきなりソイツにゲンコツだった。


「おい!ギル!まあたお前か!」


「いてえ!手加減覚えろこのバカレティ!」


「何度もやるからだよ。」


レティはソイツの首根っこを持ち上げた。


「おい、子ども達、財布は大丈夫か?

こいつ、すぐにスルんだよ。イチャモンは気を引くためだけさ。

文句つけちゃあ、バイトもしないからこっちは信用問題で困っていたんだ」


俺たちは、最初から財布を持っていなかった。

だから、スリと聞いても慌てていなかった。

お兄さんだけがポケットを触っていた。


「お兄さん、お金持ってないでしょ」


こっそりミカが教えていた。




「じゃ。この仕事は俺たちがいただきだぜ!」


俺は求人票を手に取った。



「だから。なんで優勝みたいなわけ?仕事取っただけだろ」


レティのつぶやきが聞こえた。








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