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第3話 取る(3)
「困ったな」
「どれなら出来そう?」
ミカも俺も、衝立の前で仁王立ちして紙を睨みつけた。
「もうさ。俺たち、保護者なんだから、お兄さんに手取り足取り教えてやるから。簡単そうなのやろうぜ。」
「そうだね。ここまで来て、やらない選択肢はないよ。良いよね、お兄さん?」
「う、うん。申し訳ない。
私がこのように不甲斐ないばっかりに、苦労させているな。」
「なんだい。その時代劇のような言葉は」
「お兄さんの国では、そんな言い方するの?」
「あ。いや。」
俺たちのツッコミに、お兄さんは慌てて口篭った。
「あ。これなら出来ると思うよ?」
ミカが指差したのは郊外の畑の収穫手伝いだった。
「キャベキャベかあ。美味しいよね」
「俺たちも別にやった事ないけど、農家さんに聞けば、難しいことはないだろ。」
「はい。頑張ります!」
お兄さんの目は輝いた。
「決まりだ!」
ミカは求人票に手を伸ばした。
でもミカの手に、一瞬遅れで誰かの手がぶつかった。
「俺っちの方が先に決めたんだぞ!」
そう言ったのは俺たちよりも一つ二つ歳かさな感じの男の子だった。




