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社畜係長のダンジョンヒャッハー  作者: ジェロニモR


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出社

中堅食品メーカー『味日和(あじびより)』の関東第一工場。佐藤健一が所属するのは、主力商品であるレトルトパウチ商品を製造する【調理加工部 レトルト課 カレー製造部門】である。


朝八時三十分。いつものように白の衛生服に身を包み、ローラー掛けを終えた佐藤は、朝礼室へと向かっていた。ふと見渡すと、社内の雰囲気が明らかにいつもと違っていた。ざわついた空気、すれ違う社員たちの緊張した面持ち。社内のテレビモニターにはニュース番組が映し出されている。


現代において、世界各地に出現するダンジョンには明確な『二つの分類』が存在する。


ひとつは、【地球産ダンジョン】


これは地球という星自体が異世界侵略に対する防衛本能として生み出した、人類の強化と資源獲得のためのダンジョンである。市役所の敷地内や有名観光地など、アクセスが容易で管理しやすい場所に指定されて発生する。内部に出現する魔物はシステムで管理されており、同じフロアには特定の魔物しか出ず、ユニークモンスターなどの危険種も存在しない。ダンジョン内から魔物が地上へ溢れ出すこともない、安全に配慮された「人類レベリング用施設」だ。(当然、油断すれば普通に命を落とすため完全安全ではない)


そして、もうひとつが——【侵略型ダンジョン】。

こちらは完全に自然発生する悪夢の穴である。放置しておけば奥から無制限に魔物が溢れ出し、地上を破壊する。内部には固有の能力を持つ『ユニークモンスター』や『イレギュラーモンスター』が存在し、それらボス個体を討伐することでしかダンジョンを消滅させることができない。


人類側が認知している共通認識は至ってシンプルだった。

「侵略型ダンジョンを放置すると、地上に魔物が溢れ出して街が壊滅する。見つけ次第、直ちに行政へ通報・隔離しなければならない」ということだ。

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