スライム専用スキル
防具ショップで購入した「皮の防具一式」を纏い、レベルアップで【身体能力: 13】となった佐藤。
第2層の暗闇から飛び出してきた【レッサーウルフ】に対し、完璧なタイミングでジュラルミンバットのカウンターを叩き込んだ。
ガゴォォオンッ!!!
一撃で壁へと叩きつけられたレッサーウルフは光の粒子となり、足元には魔石が転がった。
「よし……! 身体能力が上がったおかげでバットの振りが雲泥の差だ!」
胸元のスライムが《ぷるぷる〜》と揺れる。
順調にレベリングを重ね、スライムのレベルが上がり、スキルポイントが「3 Pt」溜まった。帰宅後、佐藤は自室でワクワクしながらスライムの【スキル取得一覧】を開いた。
未習得スキルは名前しか表示されないルールだが、そこに並ぶ文字を見た瞬間、佐藤の目が爛々と輝いた。
【スライム専用スキル】
変体 (3 Pt)
硬質化(3Pt)
吸収(3Pt)
収納(5Pt)
「『収納』に……『吸収』……ッ!?」
佐藤はベッドから跳ね起きた。
(『収納』は間違いなくアイテムボックス系のスキルだろ! そして『吸収』……! これ、ラノベ知識的に絶対強スキルだろ!? 倒した相手をバクッと喰って、能力やスキルを奪ったりステータスを吸収したりするやつだ!!)
興奮を抑えきれない佐藤は、溜まっていたポイントから即座に**【吸収】(3 Pt)**を取得した。
ポチッとボタンを押した瞬間、今まで隠されていたスキルの詳細テキストが解放された。
【スキル:吸収】
魔石を取り込んで分解・吸収する。
分解した魔石の種族に応じた経験値(EXP)を追加獲得する。
「……あれ?」
読み進めた佐藤は、ぽかんと口を開けた。
「能力……奪えない……? ステータスも吸えない……?」
期待していたチート能力ではなく、まさかの**「魔石を食わせて経験値を追加で貰うおやつ機能」**だった。
「いや、待てよ……?」
佐藤は腕を組んで考え込んだ。
地球産ダンジョンは「100 EXPで1レベル上昇」というわかりやすいシステムだ。ゴブリン1体の討伐経験値は「3」。そしてゴブリンの魔石を『吸収』させれば、追加で「3」の経験値が入る。
「……これ、討伐経験値と合わせたら実質経験値2倍ってことか!? チート能力じゃないけど、レベリング効率としては神スキルじゃないか!」
胸元で何も考えずに《ぷる〜》と揺れているポンコツを見つめ、佐藤の口元が再びニヤリと歪んだ。
「5 Pt必要な『収納』はまだ取れないが、名前からして絶対に大容量ストレージ(アイテムボックス)だ。こいつを育てて『収納』を覚えさせれば、爆速レベリング機 兼 歩く超大容量リュックになるぞ……!」
戦闘では役に立たないと思われたスライムが、一気に「超優秀な相棒候補」として覚醒した瞬間であった。




