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へべれけ!  作者: へべれけ
第11話
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11-a2

今日も俺はネットで色々と検索している

偶に横道に逸れるのはご愛嬌だ


因みに、あの後このPCには葵達によって再びプロテクトが掛けられてしまった

最近の小学校ではPCの授業迄しているのか・・・

オノレ文部省・・・


其れは其れとして、俺はPCのモニターを見つめる

其処には、キリスト教、仏教、ヒンドゥー教等世界の様々な宗教のウインドウかれていた


「何かのヒントでも掴めれば、と思っては見たものの・・・」

今迄も魔法の事に付いて色々なモノを検索したが参考になる様なモノは無さそうに思えた

どうやら世間一般で言われている魔法と茜達が使用している魔法とはかけ離れたモノらしい

その様な試行錯誤を繰り返し、そして行き着いたのが宗教だった

しかし、此処にも翠の能力を有効に使うヒントになりそうなものは無かった


「正直、魔法の原理なんてさっぱりだが、基本的に魔力というエネルギーを別の形に加工して運用する所は科学の其れに近い気がする・・・」

俺はそう独り言を言うと宗教関係の全てのウインドウを閉じて、今度は科学サイトのをウインドウ開いた

そして何か使えそうな情報は無いかとその記事を読み込んでいった


━━━━━━━━


即効の魔法に於いて詠唱に比べ記術が余り使われないのは応用がしずらいかららしい

呪文の本質は主文となる術式の発動に在る

もし主文だけで呪文が発動するのであれば、其れ以外の要素は不要なのだ

しかし、其れは様々な制限によって極めて難易度の高い事柄となっている

例えば、魔法の元となる魔力等が良い例だ

強力な魔法に成れば成る程大きな魔力を必要とするが、一人の人間が保持している魔力には限界が有る

そこで呪文の主文に外部の魔力を集積する術式を組み込み魔法を発動させる為の魔力を捻出する

この様に呪文は核と成る主文に様々な複文を組み合わせて構成されているらいしのだ

それ故、同じ魔法を発動させる呪文でもそれを扱う術者や状況によって呪文は様々に変化する

葵によると、この組み立てこそが呪文の真骨頂らしい

一応、定型的な呪文は存在するがそれらはキャストタイム、効果、リソース等が固定されている為応用が利かず即応性に欠けるという事だ

記術式は正に此れだ

全ての要素を規定し呪文として完結させた上で発動させる

この為、状況に応じて記術を変化させても詠唱する時点で状況が変化していた場合其れに対応出来ない

もちろんメリットも多数存在するらしいのだが、少なくとも実戦では即応性が重要に成る為デメリットの方が大きくなる

なので、もし記術式を実戦で使用する場合は其れが使用可能な状況をいかに創り出すか、其れこそが最も重要になる





と、葵先生が仰っておりました


━━━━━━━━


「うーむ」

翠の練習を見詰めながら俺は考えを巡らせる

翠が今迄行って来たのは要約すれば詠唱の高速化だ

練習内容を此れに集中させているのには訳が有る

記術式のメリットの一つが呪文の保持だ

記術式は制約条件こそ有るものの完結させた呪文を発動させずに保持し続ける事を可能とする

言い方を変えれば複数の呪文を準備状態のまま保持出来ると言う事だ

もし、この準備状態の呪文を適切に状況に合わせて使用出来れば記術式のデメリットを軽減出来る

更に、翠は"賢者の瞳"ことチート能力スペルリーダーを使用可能だ

此れは、使いこなせれば人の限界を超える詠唱速度が可能であるだけでなく、複数の呪文を同時に詠唱するマルチキャストも視野に入ると言う事だ


「だが問題は・・・」

俺はそう呟いて翠の方を見た

翠は唯黙々と同じ練習を繰り返している

翠が化けるのが速いか、其れとも・・・

何方にしろ"その時"はそう遠く無いという予感を、俺は感じていた


━━━━━━━━


シャカシャカという擬音が聞こえてきそうな動きでルーンが動き廻っている

実際にはルーン自体には実体も質量も存在しないのでその様な音が聞こえる筈は無いのだが、ルーンリーダーが呪文を読み込む関係上その動きが文字列を追従する形となる為、記術式全体の動きがカクカクしたものになってその様なイメージになるのだろう

もしかするとルーン全体が立体的に湾曲しているので、そのイメージがより強調されるのかもしれない

何方にしろ現時点ではこの折り返し動作がボトルネックとなって詠唱速度の上限を規定していた

因みにルーンリーダーの方を動かす事も出来るのだそうだが、呪文の発動の起点がルーンリーダーとなる為、ルーンリーダーを使用する場合は基本的にルーンの方を動かすみたいだ


「調子はどうだ?」

俺は独りで練習を繰り返している翠に声をかけた


「あ、へべちゃん。う〜ん、今一つ・・・かなぁ?」

「例の形態は?」

「一応は試してはみたんだけどぉ・・・。ちょっと無理みたい。呪文の接続がねぇ・・・」

翠が少し困った様な顔をして答える


例の形態と言うのは呪文の記術方法の事だ

より効率的な詠唱を目指して色々と試しているのだ

例えば、通常文章は上から下へ左から右への様に一方向に統一して書かれる

この為、ルーンリーダーは一度左から右へ詠唱した後再び左に折り返してから読み込みを始めるのだが、このタイムロスを無くす為に呪文を左から右へ記術した後、今度は右から左へと互い違いに記術したりと様々な記術様式を試しているのだが、今一つ成果が上がっていない


「う〜ん」

何かもっと効率的な方法はないだろうか?

そう考えながら、俺は頭を抱えた

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