11-i
「クソ!」
翠の肩の上で、俺は悪態をついた
状況は最悪
いや、絶望的と言って良い
「きゃあ!」
妖魔の放った一撃が茜を掠めて服の一部が斬り裂かれる
もし、ロッドで躱していなければ直撃していたかも知れない
「It's a wind!It'll be one thousand blades of blade,mince my enemy!」
葵が必殺の一撃を放つ!
しかし、葵が放った一撃は妖魔がその周囲に張り巡らした魔力障壁によって弾かれてしまう
妖魔の魔力障壁は余りにも強固で葵の攻撃は元より、茜の渾身の一撃でさえ弾かれてしまっていた
「どうしよぉ、どうしよぉ・・・
私が・・・私がもっと上手に魔法を使えていたら・・・
私がもっと魔法の練習をしていたら何か出来る事が有ったかも知れないのに・・・」
苦戦する二人の闘いを遠くに観ながら、翠が自分を責める
その肩が微かに震えている
「翠、おい!翠!」
気が付くと俺は翠に声を掛けいた
「へべ・・・ちゃん?」
翠が涙を湛えた瞳で俺をじっと見つめる
居た堪れ無くなって思わず声を掛けてしまったが何か考えが有った訳では無い
声を掛けたは良いが、続く言葉の出ない俺に翠が泣きそうな声で呟いた
「わ、私・・・私が・・」
「諦めるな!俺が何とかする!だからお前は俺の指示を待て」
「う、うん・・・」
俺の言葉に翠は少しだけ落ち着きを取り戻した
だがどうする?
俺はこの状況を覆す方法を本当に導き出せるのか?
考えろ!考えろ!!考えろ!!!
眼前の闘いを見つめながら、俺は自分に言い聞かせる様に呟いた




