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騎士と女騎士

デイダラです、投稿をば…それはさておき…ちょっとしたお知らせをば。


この作品の大ジャンルを恋愛小説からハイファンタジーに変えようと思いまして…はい。


作品投稿前から恋愛ジャンルかハイファンタジージャンルか、どっちが正しいのか悩んでいたのですが…作品的にはハイファンタジー寄りな気がヒシヒシとしてきましてね?


まぁジャンル的にはハイファンタジー4割、恋愛要素3割、シリアス&ダーク3割の配分小説にしようかなと…その都度脳内審議でジャンルが変わるかも知れませんが、何卒御容赦を。

――パチッ――


「ん…んん…此処は?」


目を覚ませば…其処は、王城の天井だった…はて、何故私は天井を仰ぎ見ているのだろうか…確か、私は仕事中だった筈だ、リノベルト国境で回収した人倒れを王女様の元に送り届けて…それで。


『彼が、〝リノベルトの白龍〟だもの♪』


その瞬間、脳裏に浮かんだへカティア王女の言葉を切っ掛けに、私はあの後の出来事を思い出し、急速に意識を覚醒させる。


「ッ―へカティア様!」

「…目覚めたか、リズ殿」


ベッドから跳ね起きる様に身を起こし…直ぐに王女様の安否を確認しようとしたその時…私の直ぐ側でその声が響き、私はバッとベッドから飛び退く。


「貴様ッ…!」

「……動けるか…何処か…痛むところは無いか…殺さない様加減はしたんだが…ただ、剣を手折るだけのつもりだった」


ベッドを挟んで、私と彼が睨み合う…いや、睨んでいるのは私だけか…彼の表情は無表情で読み解けないが、警戒は解けない。


「……国王陛下等は無事だ、貴公の考える様な事はしていない…信用は、無いだろうが」

「…あぁ、信用は出来無い」

「…だろうな、では確認してくると良い…俺は…着いて行かない方が良いだろう」


敵意や害意は感じないものの、やはり相手が相手である為か信用しきるには至らない…そうして私と彼が見合っていると…その時、不意に客室の扉が開き…其処から、〝ある御方〟が姿を見せる。


「あらリズ、もう元気一杯?…グッスリ眠れたかしら?」

「ッへカティア様!?」

「様付け何て良いのよ?…人避けはしてるし、何より幼馴染じゃない♪」

「…しかし」


一先ず、へカティア様の姿を確認し心中で安堵を吐く…本当にへカティア様は無事な様だ、ならば王妃殿下や国王陛下も…いや、国王陛下は良く死んでいるか。


「……本当に、貴殿はリノベルトの刺客では無いのだな」

「……あぁ…ただの〝フロディ・オーガー〟だ…いや、〝だった〟」


一先ず肩の力が抜け、ベッドにへたり込み彼へそう言うと、彼は変わらない仏頂面でそう言い、へカティアを見る。


「〝だった〟だと?…(チラッ)」

「〜〜♪(ニマニマ)ッ」

「あぁ…そう言う」


その様子に私は一瞬怪訝に思うが、へカティアの様子から何が起きたのか凡そ見当が付き…そう呟く。


「今日から、へカティア王女の護衛として雇われる事になった…正直な話、状況の展開が早すぎて理解に困るが…宜しく頼む」


そんな彼はそう言い、無表情ながら困惑した様子でへカティアを見やり、それから私へそう頭を下げる、へカティア様の自由奔放に困惑しているのだろう、気持ちは良く分かる。


「…成る程、大変だな貴殿も……へカティア様、彼はどの騎士団に所属するのですか?」


水差しから飲水を注ぎ、喉を潤しつつ…へカティアへ彼の所属を問う。


「?…〝私の騎士〟よ?」


しかし、彼女は小首を傾げてそう言うと彼の腕を抱いてそう言う。


「では〝近衛(第1)〟に?」

「〝私の騎士〟よ?」

「……まさか、〝専属騎士(パラディン)〟に?」


その様子に私はそう言うが、へカティアから返ってきたのは同じ返答だった…まさかと思いへカティアへ思い浮かんだ可能性を投げかけてみる…しかし、そんな私の問い掛けへ返ってきたのは――。


「えぇそうよ♪…今は私の〝専属騎士〟…行く行くは私の〝旦那様〟になる予定よ♡」


そんな、御機嫌な声色の肯定的な返答だった。


「……」

「…………はぁ、そうですか」


無論、驚きは有る…納得も行く、彼程の力が有れば並大抵どころか一流の暗殺者さえイルズの王族に指一つ触れられないだろう…それほどまでに〝リノベルトの白龍〟は〝隔絶した武力〟を有しているのだ……だが、何よりも嬉しいのは。


(やったぁぁぁッ!!!、こ、コレでへカティアからの無理難題から逃げられるッ、幼馴染の好で無理難題を寄越される生活とおさらばじゃないかッ、ありがとうリノベルトの白龍、ありがとうイルズ()英雄(スケープゴート)!!!)


そう、業務の間に差し込まれるへカティアの恐ろしい無理難題だ…コレで普段服用している胃薬の三分の一は使わなくて済む!


「…リズ、何か変な事考えてない?」

「そ、そんな訳無いじゃないですかへカティア…そ、そうと決まれば、明日から王都と兵舎の案内を致しましょう…私にお任せ下さい」

「……そう…それで良いかしら、私の貴方♪」

「……あぁ、構わない…〝我が主(マイ・マスター)〟」

「んもう、へカティアと呼んでちょうだいと言ってるじゃない!」



彼、フロディ・オーガーとへカティアのやり取りを見ながら私は安堵と歓喜を胸に秘めて喉を潤す…いやはや、一時はどうなる事かと思ったが結果的には私にとって素晴らしい日となったな。




●○●○●○


――ワイワイ、ガヤガヤ!――


イルズもリノベルトも…王都の活気はそう変わらないらしい…人の営みが盛んな〝良い都〟だ。


「…すまないなリズ殿、貴殿の剣を折ったばかりに」


人並みを見ながら、俺はリズ殿にそう謝罪をする…幾ら急な出来事とは言え、彼女の剣を壊した事に変わりは無い。


「アレは折ったと言えるのか?…粉々に砕いた様に見えたが…」

「……少し、力み過ぎたんだ」


リズの言葉に、俺は気不味くてそう答える…すると、彼女は何が面白いのかカラカラと笑い、俺へ言う。


「ハハッ、恐ろしいな……だが気にするな、剣は何れ折れる物だ、アレの寿命は昨日だっただけの事…それに貴殿の装備を整える為にも、此処の鍛冶防具屋は寄るつもりだった」


その言葉に俺の心は幾らか軽くなる…そうこうしている内に大通りの十字路を右に曲がれば、リズ殿の言う鍛冶屋が見えて来る。


「此処が〝ガイデンの鍛冶工房〟だ…此処のドワーフ鍛冶は偏屈で人を選ぶ男だが、腕は確かな職人だ」


見れば其処は、〝年季の入った鍛冶屋〟と言った風体だった…古く多少の劣化は見られるものの、その工房の出で立ちは堂に入りしっかりとしている…腕の立つ大工の作だと見て分かる程だ。 


――カランカランッ――


「ガイデン!――私だ、リズだ!」


リズ殿の後を追い、ドアを開き進めば…其処には仄かな明かりにズラリと金属の武器防具が並べられた無骨な内装をしていた。


「あぁ、いらっしゃいませリズ様!」


そんな無骨な内装とは裏腹に、カウンターには少年程の体躯をした端正な顔立ちの男がリズ殿を出迎える。


「おぉ、ハンテン…君は店番か?」


彼はハンテンと言う名らしい、リズ殿がそう問うと困った様に笑みを浮かべながらリズの言葉に頷き…リズ殿と、俺を見る。


「はい、親父――じゃねぇ、ガイデン師匠は裏の工房でさぁ…多分暫く掛かるんじゃねぇか――」


そして、そんな風に肩を竦めたその時。


『おいハンテン!――テメェ何モタモタしてやがるッ、こっちゃ来い!』


裏手から、表に響き渡る程の怒号を張り上げる男の声が届き…リズ殿とハンテンは溜め息を吐いて頭を抑える。


「――ったく、店番はどうすんだ師匠!」

『黙れボケナス!――早く来やがれ、冷やし込みだ!』

「あの糞親父……あぁ、すんませんリズ様…ちと席を外します…あぁいや、どうせならガイデン師匠のとこに案内しますよ…あの爺、どうせ俺が呼んでも偶にしか表に出ねぇですし」

「そうさせてもらおう…君も大変だな」


そして、ハンテンの言葉に俺達は甘え…店の裏手の暖簾を潜ったその時。


――ゴオォォォォッ!――


凄まじい熱気を放つ巨大な炉の前で赤熱した、3メートル程は有ろうかと言うとんでもない大きさと厚さの大剣を前に、青筋を浮かべ、顔を赤くする如何にもな風貌のドワーフが、其処に立っていた。

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