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24時間

 紗月は助かった。


 それは確かだった。


 けれど代わりに篠原香織という同い年の女性が死んだ。


 零は事件の起きた時刻を何度も確かめた。


 紗月が刺されるはずだった時刻から正確に二十四時間後。


 ――偶然なのか。


 零はノートを取り出し時刻と年齢を書き込んだ。


 紗月 十六歳 助かった時刻:午後六時十二分


 篠原香織 十六歳 死亡時刻:翌日午後六時十二分


 時刻まで一致していた。


 零の背筋を冷たいものが伝った。


 これは偶然の一致ではない。


 何か決まった規則がそこにはあるように思えた。


 ノートに書いた篠原香織という名前を零は何度も見返した。会ったこともない相手だった。それなのに自分がその命を奪ったような気がしてならなかった。


 その帰り道駅のホームで零はふと見覚えのある背格好に目を留めた。


 黒いスーツの男。校門の前で見たあの男と同じだった。


 男は零の方を見ることもなく静かに電車に乗り込んでいった。


 ――偶然だよな。


 零はそう思おうとしたが胸の奥に小さな拭えない違和感が残った。


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