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二日後の夜。


 零は記憶にあった路地の前で紗月を待ち伏せた。


「零? どうしてここに。」


 通りかかった紗月が驚いた顔をする。


「一緒に帰ろう。」


 零はそう言って紗月の腕を引いた。


 あの路地を通らせなかった。


 遠回りをして家まで送り届ける。


 その間ずっと零の心臓は痛いくらいに鳴っていた。手のひらに汗が滲んでいた。


「今日なんか変だったよ。」


 紗月は笑いながらそう言った。


 零は何も答えなかった。何と説明すればいいのか分からなかった。


 その夜ニュースで路地での通り魔事件が報じられた。


 被害者は別の女性だった。


 名前は篠原香織十六歳。零と紗月と同い年。


 零はテレビの前で動けなくなった。


 助かったという安堵と代わりに誰かが死んだという重さが同時に胸を押しつぶした。


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