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猫になっちゃった俺  作者: 高野倉けいし


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3/5

曲芸でもなんでもやってやんよ!

猫の模様はタキシード柄をイメージしてます。

次の日、アリスは再び広場で造花を売っていた。


今日も全然売れない。


しかし、アリスよ、お兄ちゃんに任せなさい。

俺は芸をして客寄せをすることにした。

昔、大道芸で猫が芸をするところを見たことがある。

綱渡りや玉乗り、輪っかをくぐったりするやつだ。

俺はゴミから拾ってきた汚れたボールを引きずってきて、玉乗りをすることにした。


しかし、うまくいかない。

猫転生1回目だからか、バランス感覚が掴めない。

ボールの上に乗ることもできずに、俺は何度も地面に倒れる。

玉乗りがだめなら、逆立ちを……しようとしたけどできない。

まだ子猫だからか、元々運動神経が悪いのか、思うように体は動かない。

アリスの足元でわちゃわちゃしていた。


「オリバー、お仕事の邪魔しないでー」


アリスからみると、俺は遊んでいるようにみえるらしい。

お兄ちゃん、これでもがんばっているんだが。


しばらくボールと悪戦苦闘していたが、俺は疲れ果ててしまった。

アリスも疲れたようで、広場の隅っこの階段に座り込んでしまった。

俺もアリスの隣に、後ろ足をまえに投げ出して、腰をおろす。

これからどうしたらいいだろう。

お金が欲しい。

俺は前足で頭を抱えて考えた。そして階段に肘をついて、道行く人々を眺める。


「ねえ、あれ見て」

「やだ、かわいい」

「人間のふりしてるみたい」


いつの間にか俺の周りに人集りができていた。

無意識のうちに、人間の時のように、お尻をついて座っていた。肘をついて考え事をしていた姿が人間らしくて、ウケてるらしい。


「あなたの猫?」


俺達を囲んでる人の1人がアリスに訪ねた。


「うん、オリバーっていうの」


アリスは人集りをみて、造花を1輪差し出す。


「お花いりませんか?一つ100コインです」

「ん?じゃあ、一つ貰おうかな」


売れた!

俺は嬉しくなって、二本足で立ち上がって買ってくれた人に頭をぺこりと下げた。

途端に歓声があがる。


「かわいい!」

「私にも一つおくれ」

「僕にも一つ」


花が次々と売れる。その度に俺は買ってくれた人の前まで行って、頭を下げ続けた。


見事完売である。



「すごーい、全部売れたね」


アリスは嬉しそうだ。

人集りが去り、アリスは空の籠に俺を入れて帰宅する。

帰り道に屋台で買った串焼きを、アリスと俺と分けて食べた。


その日を境に、俺は広場で芸をすることになった。

玉乗りでも綱渡りでもない、人間だったときと同じように振る舞うだけで、客は喜んだ。

俺が思っていた、猫の曲芸とは違うが、お金さえ稼げれば何でもいい。

アリスが笛を吹き、俺はそれに合わせて踊ったりした。

毎回人気で、人集りができる。

造花を入れていた籠には、造花の代わりにお金が投げ込まれる。時には紙幣が入っていたりして、俺達の生活は少しだけ安定しだした。


そんなある日、1人の男の人が、アリスに話しかけてきた。

なんでも、自分は商人をやっていて、今度、偉い人を招待した食事会があるので、そこの余興で芸をしてくれないかとの依頼だった。


そこから、アリスと俺の運命は少し変わることになる。


読んでいただき、ありがとうございます。

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