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最後の賢者 エレメニルの物語  作者: 山乃末子
賢者の覚醒
24/33

地の国

 昼過ぎに地の国へ到着した。地の国の王都は、山を越えた草原の中にある。地の国は放牧も盛んで、馬も多い。地の騎士グレイド達は風の国へは馬車で来ていた。4国間で、それ程交易は盛んではないが、物資の行き来はあり、街道も整備されている。王都は石造りの城壁で囲まれている。上空からでも入れるが、正門付近へ降りた。


フェイが風の騎士で、地の騎士に用事があることを告げると、門番は門の中へ消えた。かなり待たされる。


「聴いたと思うけど、地の巫女レラは賢者ガルドの娘だ。地の国では現在賢者が王を兼ねている。レラがチェイニの手に落ちたとすると、地の国はチェイニの配下に入った可能性もあるね」


 ということは、地の国へ入ることができないかもしれないどころか、下手をするとランド達と戦わなければならないのか。待っていると、地の騎士グレイド本人がやってきた。無事だったようだが、疲労の色が見える。


「やあ。待たせてすまない。私の部屋へ行こう。ランドもいるから会ってやってほしい」


 グレイドの部屋は、地の国の城下町の正門すぐ近くにあった。大きな宿の一室のようなところだ。中はそれなりに広く、ベッドが二つあり、片方にランドが寝ていた。


「ランド、フェイとウェルが来てくれたぞ」


 ランドは両足を失っていた。カーミラの毒にやられたらしい。毒にやられた他の騎士は、みな死んだとか。ランドは幸い軽く、命はとりとめたが、両足を切ることになってしまった。


「城がベルゼフとカーミラに襲われた」


「よくご無事でしたね」


「もしもう少し戦っていたら全滅していたかも知れん。降伏したガルド様に止められてな。その騒ぎが起こった時に、既に地の巫女レラ様はチェイニにさらわれていた。チェイニは城の使用人に化けていたんだ」


 チェイニはレラを人質にして、地の賢者で王のガルドを降伏させてしまったらしい。グレイドと騎士団はカーミラ、ベルゼフと戦っていたが、降伏したガルドが間に入る形で戦いは終わった。


「だがランドが負傷して毒にやられて・・・命があったのは良かったが」


『ランドの足を直せるだろうか』


『お安い御用』


 ウェルがランドの足に触れると、ランドの足が見る見るうちに再生されていく。グレイドやランド、フェイはもちろん、ウェル自身にも信じられない光景だっただろう。ランドはすぐに歩けるようになった。


「ウェル、何とお礼を言っていいかわからない。もう二度と戦うこともなく、騎士見習いもやめる事になると思っていたのに・・・」


 ランドはぜひ俺も連れて行ってくれとウェルに頼んだ。


「地の国は確かにチェイニに降伏したが、俺は降伏すべきではないと思う。戦うべきだ。空の賢者のウェルもいるし、トードやフェイも健在だ。お師匠様はそういう訳にはいかないかもしれないが・・・」


「いや。私も本来は行くべきだろう。だが・・・」


「そうですね。私達はこれから風の国へ一旦戻ってから、チェイニの拠点のある水の国へ行きますが、ウェルを抱えた上に、お二人も連れて行くのはちょっと重いですね」


「二人で飛んできたのかい」


 ランドやグレイドは地の国のことは置いておいて、一人の戦士として協力してくれるらしい。ウェルはフェイの宝剣に魔力を注いだ。魔力をさらに増した宝剣とフェイは、三人の男を軽々と風の国まで運んだ。今度はウェルは、フェイの腰にしがみついている。速度も増しているので、正直恐ろしい。


 フェイと手をつないで、両脇を飛んでいるグレイドとランドは平気なようで、時々歓声を上げている。ウェルはつい強くしがみついたため、後でフェイに痛かったと文句を言われた。


 風の国にはまだ日が高いうちに着いてしまった。フォーゲル邸に行くと、卿にトードが帰ってきたことを知らされる。フェイは王への現状報告の伝言をフォーゲル卿に頼んだ後、すぐに三人を連れてトードの屋敷へ向かった。


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