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最後の賢者 エレメニルの物語  作者: 山乃末子
賢者の覚醒
22/33

ウェルの戦い

 ウェルはその晩ベッドで半身を起こし、寝ずに考えた。翌朝フェイが様子を見に来るまでそのままだった。


「昨日は大変だったから起こさないでおこうと思ったんだけど・・・もしかして全然寝てないの」


「ああ、でも算段はついた」


「チェイニを倒しに行くの」


「そういうことになるかな」


「ご飯ぐらい食べていくでしょ」


 遅い朝食を食べて、身支度をするといって部屋へ戻った。そこで精神を集中して彼を呼び出す。


「やあ。考えたいと言っていた事の、結論は出たのかな」


「ああ」


 ウェルはもう一人のウェルに説明した。チェイニを倒すまではウェルの指示に従ってほしいこと。その後はすべてをもう一人のウェルに譲り、ウェルは二度と現れないつもりだと伝えた。


「そこまでしなくてもいいけどね。交代でもいいんだよ」


「いや。チェイニを倒し、友人や家族を助けてもらう報酬としては決して高くはない」


「そうか。そういうことなら喜んで協力しよう」


「あと、俺が消えてからも、俺の知人の安全は保障してもらおう。フェイ以外もね」


「もちろんだ」


 チェイニを倒したらウェルはどうすればいいのか。最悪自ら命を絶つしかないかもしれない。しかしまずは仲間だ。ウェルが部屋を出ると、フェイが待っていた。


「私もついていくよ」


「昨日の戦いで魔力を使い切ったんじゃないのか。休んでいてくれてもいいんだよ」


「これがあるからね」


 フェイは腰の宝剣に触れた。


「ウィンデスヴォルテはそれ自体魔力を持っている。剣の魔力を借りて魔法を使ったり、魔法を強化したりできるんだ。君の移動を助けることぐらいはできるよ」


 そういえば、最初にフェイに会った時に、剣を持って何か呪文を唱えていたのを思い出した。どうも君に返してもらってから、若干デザインが変わって、魔力も強くなっているようだし、とフェイは付け加えた。


「どうする。おんぶかな。だっこかな」


 フェイは手を広げて笑っている。


「どっちも何だかみっともないね」


 ウェルはフェイに抱えられて飛び上がった。


「どちらまで」


「まず水の国だな。クレフとサーラのところへ行こう。・・・まあさすがに目立つから、途中から降りて行こう」


「了解」


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