表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最後の賢者 エレメニルの物語  作者: 山乃末子
風の国
14/33

空の戦士

 少し短いですが、レイドの出てくる話です。

 エアリアの部屋で、ウェルはレイドをイメージして何度も戻そうと念じて見たが、何も起こらなかった。またエアリアを失望させてしまいはしないか。ウェルは必死だった。だが、エアリアはそれ程心配はしていないようだ。


「問題ありません。魔力が足りないのではなくて、空の魔法の実践経験が少なく、コントロールがうまくいっていないだけでしょう。あなたは特にとてつもないポテンシャルを持っているから、無意識に力を押さえ込んでしまっているのかもしません」


 慣れてできるようになれば何でもないことなのです、と言ってエアリアが手を掲げると、そこには全身鎧姿のレイドが現れた。


「私のことは大体話しましたが、レイドのことについても説明しておきたいのです。ちょうどよい機会だと思って。本人にしてもらっても良いのですが」


 レイドは兜を脱いだ。始めてみる素顔だ。金髪に黒い瞳、今まで見たどの男よりも容姿が整っている。文句なく美男子だろう。


「やあウェル。・・・ひさしぶり」


「その・・・出自や経歴、ベルゼフの話等を、ウェルにして欲しいのです」


「えと・・・エアリアやってくれないかな」


 エアリアは首を振っている。寡黙かもくな男だとは思っていたが、話をするのが少し苦手らしい。ある人物に、レイドからエアリアに送られた恋文を見せられて、ウェルがその饒舌じょうぜつさに絶句するのはずっと後の話だ。


 レイドは空の騎士ベルゼフの弟子だった。クレフと境遇は似ているのかもしれない。以前にもエアリアに聞いた話だが、レイドはベルゼフに捕らえられていたエアリアを助け出し、逃げ出した。しかしベルゼフに見つかって追われ、チェイニに消されてしまったらしい。チェイニを倒せば、エアリアの力で完全な形で戻ることができる。


「ウェルがレイドを戻せれば、私がいない時でもウェルの力になることができます。それに今のウェルの力なら、レイドを完全に戻せるかもしれない、とも思っていたのです」


 またまたエアリアの期待にそえなかったようで、ウェルは残念だった。でもエアリアが、レイドのエピソードを話してくれて楽しかった。よく兜を逆さまに被って、被りなおしているとか。実は料理が特技とか。剣の訓練の時間を忘れて、本を読んでいてベルゼフに怒られていたとか。いかつい鎧を着て、人間ばなれした体力と騎士の実力を持つレイドだが、どうもそうした精悍(せいかん)なイメージとはギャップのある性格のようだ。しばらく談笑してから、レイドは帰っていった。


 フェイ達が帰ってきて、聞くとフレドの病は毒が原因で治療できそうとのことだった。サーラもうれしそうにしている。毒はクレフの得意分野らしい。解毒剤を処方してきたが、服毒してから時間がたっている事もあり、完全に治るには何ヶ月か療養が必要とのことだ。フレドが治って加わってくれれば、きっと頼もしいだろう。


 クレフは結局その日フォーゲル邸に泊まっていった。風の国にも危機が迫る中ではあったが、楽しい晩餐ばんさんだった。


 翌日地の国の一行が到着する。地の戦士ランドが、フェイとフォーゲル邸に宿泊しているウェル一行に会議の開催を伝えにやってきた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ