1話 運命の相手
※本章は旧構成です。新しい第2部は別途公開予定です。
「サブリナ!優秀なお前は婿をとり、このポリニャック家を継いで欲しい!」
私はサブリナ。ほどほどの家庭に嫁いで隠居したい、しがない公爵令嬢――のはずでしたのに。
なのに、なんでこうなりますのー!!
1話 運命の相手
前回までのあらすじ。
ある日の舞踏会、婚約破棄と処刑を宣告された私。
前世ナンバーワンキャバ嬢の知識を駆使して、すべてをひっくり返してみせましたわ。
スリリングな日々でしたけど、もう疲れましたわ。
結婚して奥に下がろうと思いましたのに――お父様ったら……。
おかげで毎日舞踏会、お茶会、顔合わせ!もう目が回りますわ!肖像画だって山のように送られてくるから、部屋がひとつ埋まってしまいましたのよ!?
しかも私にアプローチしてくる殿方ったら……。
「僕の実家は太いんだ。結婚してくれればお金には困らせないよ。」
「父は大臣なんだ。公爵家に傷をつけないことを約束するよ。」
「う、美しい……。こ、こ、今度ふたりでお茶でも……。」
どいつもこいつもろくでなしー!!
私を誰だと思ってますの!?
実家や父を引き合いに出すのはこの時代珍しくありませんけど、自分が何ができるかアピールしてくださいませ!婿に入るのだから!
最後の方は話になりませんわ!
私と会話もできない方が、交渉など務まるとお思いですの!?
……はあ。結局皆様公爵家と縁を結びたいのね。
先の件で名前も知れてしまいましたし――
大体前世でキャバ嬢やってたせいで、殿方にときめくことがなくなってますわ。殿下も政略結婚でしたし。
「もうお父様のお眼鏡にかなう方をお連れして。その方と結婚しますわ。」
ベッドでゴロゴロしながらこぼす。
「うーむ。できるだけお前の意志も尊重したかったんだが。」
「婿を取る以上、このポリニャック家を盛り立ててくださる方でなくてはなりませんわ。
政治も会話も武も――どれ一つ欠けても話になりませんの。
なのに、私に近づくのは軟弱な方ばかり。
もうお父様がご自身の後継者に相応しいと思う方をお連れしてください。でなければ結婚しませんわ。」
「ふ、ふむ。お前がそこまで言うなら……。」
お父様は納得いってなさそうに頬をかきながら、部屋を後にする。
これで明日から毎日殿方と顔を合わせる毎日とはおさらばですわ。あー楽ちん。
後日
「はあ……。私の教育が厳しすぎたのだろうか……。
殿下との婚約はサブリナが産まれる前から決めてしまったから、今度はあの子が好きになった方と結婚して欲しかった。」
ポリニャック公はふう、とため息もつく。
「……王都流通組合の動きも、どうにもきな臭い。良き婿を迎えてポリニャック家を磐石にしなくては……。」
「お久しぶりです、ポリニャック公。」
「ん?あ!あなたは!」




