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聖女召喚に巻き込まれなかったモブ夫はダンジョン無双で迎えに行きます!  作者: 如月いさみ


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大阪ダンジョン攻略 11

 玖路はまるでコマ送りのように迫ってくる拳にブワッと何かが自身の中から溢れるのを感じた。

 

 このままでは後ろにいる浅草真司も即死である。


「させるかよ」

 と手を伸ばした瞬間に眩い光が包み拳でその光を叩いた巨人が突然霧散した。


 巨人を背後から一つの影が切り裂いたのだ。


 巨大な宝石が玖路の目の前に転がり、フワリと空から降ってきたように少年が目の前に降り立った。


 真司も玖路の後ろでヘタって座りながら少年を見つめた。

 いや、巨人の向こう側で逃げかけて攻撃を仕掛けていた誰もが呆然と立ち尽くしていた。


 玖路は少年を見つめると

「千……」

 玖か? と言いかけて上手く口が動かなかった。


 少年は静かに笑むと持っていた剣を差し出すと

「貴方がいたから実体化出来た」

 それに、と言うと

「これで多少力の解放が出来る」

 と告げた。


 そして

「待ってるから、母さんと」

 そう少年は音のない声で言い空気に溶けるように消え去った。


 真司は座ったまま

「か、神木」

 あの子供、と聞いた。


 玖路は剣を握りしめると顔を伏せた。

 分かる。

 いや、わかったのだ。


「千玖だ……やっぱり千穂は此処にいる」


 玖路はそう言うと滲む視界を上に向けて目を閉じた。

「迎えに行くからな。絶対に……」


 ……待ってろ、千穂、千玖……


 巨人が消えた瞬間にコロッセオのような建物の中央に虹色の大樹が姿を見せた。

 同時に先ほどまで一帯を覆っていた深い霧は霧散し目の覚めるような緑の木々と青い空が広がっていた。


 これが一つのダンジョンが攻略された証であった。


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