大阪ダンジョン攻略 7
獣道のような道が木々の間の縫うように蛇行して奥へと続いている。
玖路は銃を手に構えて足を進めた。
無暗に打つことはしないが、異生物……つまり、モンスターがいることは海外の配信や時々扉から出てくることで周知の事実となっている。
視界が効きにくいだけに油断は出来ない。
後ろをついてきていた真司が
「しかし、ラノベみたいなことが本当に起きているんだ」
な、と言いかけた瞬間であった。
斜め前の木々が揺れたと思った瞬間に大きな牙を生やした虎が襲い掛かってきた。
玖路は「浅草!!」と呼びかけると横っ飛びをして避けた。
真司も慌てて横へと飛んだ。
虎は木々を薙ぎ倒して数歩行き過ぎクルリと振り返った。
ともすれば自分達よりも大きな虎である。
避けなかったら一溜りもない。
二人がちょうど虎を挟み込むように銃を構えた時、少し離れた扉の方から悲鳴が聞こえた。
「嘘! あんなのが出るの!?」
「ちょっと、声出すなって!!」
虎は声の方に目を向けると唸り声を上げた。
玖路も真司も同時に小さく舌打ちした。
不用意な騒ぎは目立つ。攻撃対象になりやすいのだ。
だが、そういう事態に遭遇したこともない一般人はそれが分かっていない。
玖路は虎が動きかけた瞬間に銃を向けて
「威嚇はなしだ!」
と叫んだ。
真司はそれに
「当然!」
と答え、虎を挟むように向かい合いながら同時に銃をぶっ放した。
どちらも頭を狙って、である。
二発とも虎の頭に命中し、虎は咆哮をあげると霧散して消え去った。
そして、その場に黒い大きめの塊と牙が二本残った。
玖路は黒い塊を拾い
「……これは持って移動できるが、これは」
と目を細めた。
真司も同様に
「デカい牙だな」
と冷静に答え
「……ただ、きっと金になる奴だ。ラノベではギルドに売ると金になると記述されている」
と告げた。
玖路は息を吐き出し
「ラノベって作り話だろ」
とぼやいた。
だが、生活費は必要だ。今、自分も相方の真司も無職なのだ。
それまで働いて溜めてきた貯金を切り崩して生活している。
正直に言って金は必要だ。
玖路はカバンから紐を取り出すと
「取り合えず身体に括りつけて運ぶか」
と告げた。
「せっかく入ったのに直ぐに出るのはな」
真司も紐を出して牙の一つを背中に括りつけながら
「確かにな」
とざわざわと寄ってきたダンジョンハンター達から身を隠すように足を素早く踏み出した。




