大阪ダンジョン攻略 6
門の向こう。つまり、ダンジョンの中がどうなっているかを知っている人は少ない。
日本では漸く一般人が入り始めたところなので配信自体が少ないからだ。
だが海外では既に多くの人が配信を行っている。
つまり、敢えて知ろうとしない限り知る手段がないという事で、ダンジョンや一攫千金に興味のない人々は巨大な門が出来たなぁ変な生き物が出てこないでほしい程度の認識になる。
玖路と真司はダンジョンに目的があって潜ることを決めていたので予備知識として海外の配信で勉強を行っていた。
……門の向こうは地球とは違う世界が広がっている……
所謂、異世界であるということだ。
門の前に立ち真司が玖路を見た。
「じゃあ、異世界への一歩だ」
玖路は笑むと頷いた。
「きっとそこに千穂がいる」
そう心で呟き、真司と共に扉を潜った。
外から扉を見ると向こうが真っ暗で見えない。闇というよりは黒いシートで隠されているという感じだった。
それは門の手前まで進んでも同じであった。
しかし、潜り抜けた瞬間に視界は拓けた。黒一色世界でもなく。先ほどまでいた大阪の街並みなど何処にもない。
木々が空を覆うぐらい茂る山林の奥地のような光景が広がっていた。
ただ白い霧が広がり何処かねっとりとした感覚が肌を包み込んだ。
玖路も真司も目の前に現れた景色にヒタリと汗を浮かべた。
思わず玖路は
「……配信は本当のようだな」
と呟いた。
普通ならば。いや、門が現れる前ならば妄想癖や精神病院行きだろう。
真司も頷きながら
「ああ、信じられないが本当に異世界に繋がっているって感じだな」
と言い肩越しに今は言ってきた扉の方を見た。
大坂城の前にある扉と同じように向こうが見えない扉が木々を越えて空を突くように聳え立っている。
霧の中でも黒い影として浮かび上がっている。
「これを目印に戻ればいいな」
真司の言葉に玖路は頷いて
「行こうぜ」
と足を踏み出した。
ダンジョンハンターは玖路達の後にもパラパラと入ってきていた。




