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第15話 番外編 オレリア。

小さいころから、大人びた子だ、と親がいないところでじろじろ見られた。


連れ去られそうになったこともある。父が心配して、護身術の先生をつけてくれた。


貴族用の学院の中等部に通いだすと、先生に頻繁に呼ばれた。放課後、空き教室に呼ばれたときは思わず投げ飛ばしてしまった。そのあたりから、変な噂が立った。


エルザは気にするなというけど…。


そして、弟にまで、いやらしい体だと言われてしまった。


私が悪いんだろうか?胸が大きいから?ずっと悩んでいた。


15歳で婚約者になったおとなしそうなクレマンでさえ、頬を赤くしてちらちらと私の胸を見た。


高等部でお友達になったハインツは、遊び人だけあって、私と普通に話をしてくれた。

相談事も親身に聞いてくれた。見た目ほど、悪い人ではなさそうだった。


お互いの利害が一致したので、私たちは恋人同士のふりを始めた。

そのときだってハインツは、指一つ触れなかった。あれこれと勉強を教えてくれた。


ハインツが困っているので、一肌脱ごうとエルザに相談した。反対されたが、その時は他にいい考えもなかった。胸がこぼれそうなほど胸元の開いたドレスで賭場に潜入した。こういう時にこそ自分の胸が役に立ちそうだと思ったけど、あんまりお役には立てなかった。


その時、パウダールームまで追いかけてきたハインツが、謝りながら私の首元にショールでリボンを結んでくれた。彼の手が震えていた。


「オレリア、あんまり自分を、その…便利な<もの>みたいに使わないでくれよ。俺に協力してくれるのは嬉しいけどさ。こんなことまでしなくていいんだ。巻き込んですまなかった」


何度も何度も謝りながら、震える手で結んでくれたリボンは、私の胸元も鎖骨も肩もふんわりと隠してくれた。



ああ、私、ハインツのこと好きだなぁ。



胸がいっぱいになって泣きそうになる。泣きだす前に冗談を言ってごまかした。


3年たったら終わる恋でも、この人の近くにいれたらいい。


そう思った。




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