番外編 バレンタインデー編③
いつも通りの朝を迎えた。
6時に起床。洗面台で顔を洗い歯を磨き、制服に着替えて朝ごはんを作る。と言っても簡単にスクランブルエッグとウインナーを焼いただけだが……
テレビを点け、今日のニュースを見ながら朝食にありつく。
『本日は、全国的に晴れるでしょう』
そうか……今日は晴れなのか。
なんて考えながら、朝食を食べ終わる。
天気予報が終わると今度は、バレンタイン特集が始まった。
「そういえば明日はバレンタインでしたね……」
今までは、全く気にも止めていなかったイベントだ。なぜならあげる相手も、貰うこともなかったからだ。
けれど去年、みこと出会って初めてのバレンタインを過ごし、初めて人に何かをあげた。
あの時のみこの笑顔は、とても可愛らしかった。どんなに配信をしてみんなに知られても、あの笑顔は私だけのものだ。
と言っても今回は悠希さんもいる。私だけじゃなくなったのはちょっと寂しいが、仲間が増えたのはとても喜ばしい。
今年は二人に作ってあげよう。
と言っても、菓子作りは得意ではない。
わたしにできることは、絵を描くことだけ。今回はそれを存分に生かそう。
授業も終わり、何者にも見向きもせず足早に帰宅する。
寮の部屋にたどり着くなり颯爽とキッチンへ向かい、作業に取り掛かる。
どんなものにするかは、既に授業中に書き込んでいた。あとはチョコレートに染色を施して描くだけ。
染色は、案外難しくは無い。チョコレートに馴染ませていくだけなのだ。
そうしてピンクや青の染色されたチョコレートを、チョコペンに入れて専用台紙に描いていく。
こうして、二人のチョコレート絵に成功。我ながら自信作である。
あとは冷やしておけば完成だ。
しかし、材料が結構余ってしまったな……
そうだ、彼の分も作ってあげよう。一応配信者だし、描けなくは無い。
紙とペンを取りだし、記憶を頼りに彼の絵を書き始める。書いては消して、書いては消して……
そうして作成した、チョコレート絵もとてもよくできたと思う。
あとはこれらを、額縁のような箱に詰めればちょっとした絵に見えるだろう。
我ながら良い考えだと思う。
「明日が楽しみですね」
眼鏡をクイッと人差し指であげた。
読んでくださりありがとうございます!
今回は、『悠希つづり』でも『閑みこ』でもありませんでした。
誰か分かりましたでしょうか?
そして最後の言葉……(*≧艸≦)
次回は番外編、第四話最後になります。
「明日が楽しみですね」




