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登場人物とローケーションの紹介

【登場人物紹介 ~煤霧都市を歩く者たち~】


Detective / Human

レオン=クラウス Leon=Klaus

挿絵(By みてみん)

偽装記録の探偵/元・記録院調査官

改竄された記録、偽造された契約、神格構文の痕跡を読み解く異端の探偵


ヴェルム=クロウ旧市街に事務所を構える私立探偵。

かつてはヴァルテリア記録院に所属する調査官だったが、ある事件をきっかけに組織を追われた。


冷静で皮肉屋、依頼人にも愛想はよくない。

だが、偽装された記録の奥に隠された真実を見逃すことはない。


彼が見るのは、書かれた文字ではなく、書かれなかった空白。

契約書の滲み、台帳の欠番、証言の揺らぎ、消された神格名の痕跡。

そのすべてを読み解き、誰かが“なかったこと”にした事件を暴いていく。


魔術師ではない。

神の使徒でもない。

ただ、記録を疑うことのできる男である。


---


Record Apprentice / Human

ミラベル=ワトリア Mirabel=Watria

挿絵(By みてみん)

記録記者見習い/レオンの助手

事件を読者に伝えるワトソン役であり、彼が見落とす人間の感情を拾い上げる


ヴェルム=クロウの小新聞社に所属する記者見習い。

はじめは「記録院を追われた変人探偵」を取材するため、レオン=クラウスの事務所を訪れる。


明るく人当たりがよいが、軽薄ではない。

事件を単なる謎としてではなく、誰かの人生が壊れた跡として見つめる。


レオンが契約書や台帳の矛盾を追うなら、ミラベルは証言にならなかった声を聞く。

嘘をつくしかなかった理由。

沈黙の奥にある痛み。

記録からこぼれ落ちた、小さな生活の痕跡。


探偵ではない。

けれど、彼女は真実を“消えない言葉”として残すことができる。

冷たい記録に、人の温度を取り戻す記録者である。


---


バルトラム=グレアム警部

挿絵(By みてみん)

歯車より現場を信じる警部。ドワーフ族の刑事。

頑固な現場主義者で、レオンとは衝突しながらも事件解決のために協力する。


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マルタ=グレイン

挿絵(By みてみん)

黒鴉館の管理人兼大家で、喫茶室《煤鳩亭》の店主。

口は悪いが面倒見がよく、探偵たちの帰る場所を守る。


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リュシアン=アスト

挿絵(By みてみん)

旧契約を読むエルフ族の古書店主/古文書鑑定人。

古い神話、旧契約、忘れられた神名に詳しいレオンの情報源。


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モルガ=ブラス

挿絵(By みてみん)

煤霧都市の歯車を回す女。

ブラス重工商会総帥。鉄道、記録機械、契約保管庫に深く関わる、敵とも味方とも言い切れない産業界の大物。


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ヴァネッサ=リード

挿絵(By みてみん)

エルフ族の月硝子の歌姫。上

流階級、仮面舞踏会、劇場事件に関わり、レオンの過去を揺らす特別な女性。


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ノクス=モリアン

挿絵(By みてみん)

元・法記録学教授。

法、記録、証言の仕組みに精通し、ひとつの事件を“どう記されるか”という視点から読み解く異端の知識人。紳士的な態度を崩さないが、その言葉にはどこか人を試すような響きがあり、レオンにとっても警戒すべき存在である。


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エドガー=クラウス

挿絵(By みてみん)

都市を座ったまま動かす男。

レオンの兄。中央記録庁上級顧問として、行政記録、外交記録、商会情報、警察報告を横断的に把握する。


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エレノア=クラウス

挿絵(By みてみん)

逃げ出した記録令嬢。

レオンの妹。自由奔放で、変装・潜入・暗号・街歩きが得意な若い知性。


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名犬ブラム(黒鋼坑道犬)

挿絵(By みてみん)

黒鴉館の調査犬。

匂いと音を頼りに、偽装された列車を見分け、追跡・地下探索・帰路案内で探偵たちを支える。


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怪盗紳士ルヴェール

挿絵(By みてみん)

白い外套と銀の仮面をまとう、神出鬼没の怪盗紳士。

予告状に嘘を書かず、華麗な盗みを通じて偽りの所有と埋もれた記録を暴く。


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車掌

挿絵(By みてみん)

ヴェルム=クロウの蒸気鉄道に現れる、謎めいたドワーフの車掌。

煤けた制服と静かな物腰が印象的で、乗客を目的地へ導きながら、事件の裏に潜む“記録の歪み”をほのめかす。

味方とも案内人とも言い切れない、不思議な存在。


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【ロケーション紹介 ~煤霧都市ヴェルム=クロウ~】

挿絵(By みてみん)


クラウス探偵事務所


霧燈通り十三番地、黒鴉館の二階奥にある私立探偵事務所。

古い革椅子、都市地図、鉄道時刻表、事件記録の束が並ぶ部屋で、レオン=クラウスは依頼人の言葉よりも、靴の泥、手袋の煤、紙質、インクの匂いから真実を読み解く。

記録からこぼれた者たちが、最後に辿り着く灯りである。


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蒸気鉄道


ヴァルテリア全土を血管のように都市を巡る、環状線、貨物線、地下線からなる巨大交通網。

汽笛、警笛、蒸気の白煙が絶えず街を揺らし、乗客名簿、切符記録、時刻表、貨物台帳のひとつひとつが事件の証拠にも罠にもなる。

ドワーフ産業力と近代都市の象徴であり、同時に密室と偽装記録を生む舞台でもある。


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劇場街


オペラ座、仮面劇場、社交クラブ、上流階級の夜会場が集まる、ヴェルム=クロウの華やかな表の顔。

光と喝采に満ちた街区でありながら、その幕裏では密会、偽名、契約結婚、脅迫、舞台上の暗号が静かに渦巻いている。

ヴァネッサ=リードの影がもっとも美しく、もっとも危うく映える場所。


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ヴェルム=クロウ警察


煤煙と霧に沈む蒸都の治安を守る捜査機関。

殺人、失踪、鉄道事故まで扱うが、記録院の台帳に存在しない者の事件には、しばしば手が届かない。

現場を押さえる警察と、記録の矛盾を暴く探偵――その境界で、グレアム警部は今日も重いブーツで街を歩く。


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黒鴉館


霧燈通り十三番地に建つ、煤けた煉瓦造りの三階建ての館。

一階には喫茶室《煤鳩亭》、二階にはクラウス探偵事務所、三階には下宿部屋があり、新聞記者、書記、探偵、依頼人たちが交差する。

霧の夜、二階の窓に灯る明かりは、迷える者を真実へ導く目印となる。


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煤夢館


地下街で最も名の知られた煙館。

表向きは安宿だが、地下には夢煤香の煙が満ちる広い煙室があり、工員、女優、没落貴族、記録院の下級書記までもが訪れる。

そこで見る幻は慰めか、神託か、それとも誰かに植えつけられた偽りの記憶なのか。


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夜帳楼


紅霧横丁に佇む、赤い硝子窓の古い館。

登録娼館でありながら、その内側では偽名と偽造証文が静かに人の本名を覆い隠している。

古いエルフ歌曲が流れる夜、契約書に残るのは、彼女たちの本当の名ではなく、美しく作られた店の名だけである。


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バルグレム蒸機鉱業商会


ヴァルテリア大陸全土に影響力を持つ、ドワーフ系巨大商会。

蒸気機関、鉱山、鉄道、金融、契約保証までを握り、都市の血流そのものを動かしている。

彼らの歯車が回るかぎり、街は栄え、同時に誰かの名も、労働も、事故も記録の奥へ押し込まれていく。


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ヴァルテリア記録院


出生、婚姻、相続、商取引、刑罰、死亡――市民の存在を記録によって定義する巨大行政機関。

だがそこは単なる役所ではなく、記録を司る神エスラ=ノートの影響を色濃く宿す、契約と祈りの聖域でもある。

レオン=クラウスがかつて身を置き、そして離れた場所――真実を守る機関でありながら、真実を消すこともできる場所。


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