↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
摘めない芽  作者: ノカミ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
9/15

09 バニラ味


 テスト直前の夜。時計の針はすでに深夜十二時を回っていた。


 机に向かってペンを走らせていたものの、集中力が切れて頭が重くなってきた頃、スマホがブブッと小さく震えた。


 水瀬からのLINEだった。


 『一ノ瀬くん、起きてる? 勉強進んでる?』


 『起きてるよ。でもそろそろ集中力が限界かも……』


 『実は私も! 頭がクラクラしてきたから、息抜きにちょっとだけ近所のコンビニ行かない?』


 『えっ、今から?』


 『うん! 夜風にあたりたいし、アイス買いたい気分。ダメ……かな?』


 画面越しの不意の誘いに、ドクンと胸が跳ね上がる。

 

 深夜に二人で会うという少し背伸びした特別感に、視界の端からすーっと薄いモヤが広がっていくのを感じた。


 『わかった。すぐ行く』


 上着を羽織って静かに家を出ると、ひんやりとした夜の空気が火照った顔に心地よかった。


 


 

 指定されたコンビニの前につくと、すでにかわいらしいパーカー姿の水瀬が待っていた。


 「あ、一ノ瀬くん! 来てくれてありがとう」


 水瀬は少し寒そうに袖をギュッと握りしめながら、嬉しそうに微笑んだ。


 二人でホットドリンクとアイスを買い、コンビニの前のベンチに並んで座る。


 静かな夜の空気の中、水瀬がふと思い立ったように俺を見た。


 「ねえ、一ノ瀬くん。今回のテスト、どっちが点数高いか勝負しない?」


 「え、勝負?」


 「うん! 負けた方は、勝った方の言うことをなんでも一つ聞くこと。……どう?」


 悪戯っぽく微笑む彼女の瞳を見て、俺の負けず嫌いに火がついた。


 「いいよ、乗った。負けないからな」


 「ふふ、言ったね! じゃあ約束!」


 深夜の街灯の下、二人で指切りを交わした。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。