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秋・・・様々なことが出来る季節


(10・1 AM8:06)



食欲の秋


芸術の秋


読書の秋




いろいろな形を体験できる季節である・・・。




コンコン・・・



「へい~。」



椿は、風燕に用があったので部屋を訪ねた。部屋に入ると、大正モダンのような雰囲気の部屋だった。ソファーの後ろには、大きな本棚とそこに住む本達が存在感を示していた。



「なした?」


「あ・・・ちょっと聞きたいことがあって・・・」



ソファーに寝転びながら本を読む風燕に目を奪われたが、すぐに意識を戻して質問をする。



「嫌いな食べ物とかある?」

「は?そんなもんねぇよ!」



いきなりキレ出した風燕に椿は驚く。


「わ・・・わかりました。」

「何がしたいんだ、お前?」


「・・・内緒・・・。」


「は?なんだそれ?」

「じゃ、お邪魔しました・・・。」


椿はそういいながら、風燕の部屋の戸を静かに閉じた。



コンコン・・・



「は~い!」



次に椿が向ったのは、火燐の部屋。

扉を開けるとあの時、半壊状態だった部屋が戻っていた。平安時代の貴族の部屋を現代風にアレンジしたような部屋。お香の香りが気持ちを癒していく。

火燐はというと、窓の縁に座ってお茶を飲んでいた。



「椿ちゃ~ん!!」



火燐は、椿を見るたびに抱きつく。椿もこの状態にだいぶ慣れてきたらしく「はいはい」と笑いながらさっと引き離せるようになった・・・。



「いきなりどしたべ?」

「いや・・・聞きたいことがあって・・・」

「なになに?」


「火燐さんって・・・嫌いな食べ物とかってあるんですが?」



それを聞いた途端、火燐は少し悩む。


数秒考えて出た答えは・・・



「無いべ。椿ちゃんの作るご飯おいしいもん!」


「そ・・・そうですか?」




「お前、そうやってみんなに聞きまくるのか?」




ドアのところに風燕が立っていた。



「・・・うん。ちょっと知りたかったから。」



「「なして?」」



「・・・内緒。」



「ほかの奴も特になしって言うと思うぞ。しいて言うなら蓮流は、身内(=魚介類)以外なら大丈夫って言うと思う。お前が何したいかとりあえず分からんが・・・。」


「わかった・・・ありがとう。」


椿はそういいながら火燐の部屋を後にした。



(10・1 PM15:02)



「お前達!焚き火するぞ!」



庭から緑涼さんの大きな声がしたので、行ってみたら大量のさつまいもが縁側に詰まれていた・・・


「今年は豊作っすね!」

「んだ♪そんなかから好きな芋選んで。放り込むぞ!」


禮漸と緑涼の会話も耳に入らないくらい椿はあっけにとられていた。



「こんなに・・・」


「んだ。最初に焼芋、次に天麩羅や菓子にするべ。で、最後は保存食として干し芋にする。こんな感じだべな、毎年。」


「いろんな楽しみ方があるんだ。」



サツマイモといっても様々な料理に変わる。てんぷらにお菓子に様々なものに変わる。

それが椿の中で新鮮に感じていた・・・。


「さ、焼くべ!焼くべ!」


緑涼の合図で、芋をアルミホイルに包んで焚き火の中に放り投げる。

赤くなり始めた空に、焚き火の煙がふわっと昇っていく。



数分後



「これは誰の芋だべ?」



緑涼がトングで芋を持ち上げると



「俺の!」



そういって、軍手をはめた風燕がそれを受け取る。


それぞれに行き渡ると、一斉にアルミから出して皮をむく。

黄色くてホクホク感がある実が姿を現す。椿はそれを見るだけで感動していた。



「どした?椿。」



「だって、焚き火とかしたことないし、焼き芋も、お店で売ってるのしか食べたことないから、こんなの初めてで・・・。」



「そっか・・・どんどん食べろ!すごくうまいから!」



口にした途端、食べたことのない芋の感覚に椿はさらに感動する。



「おいしい!」

「だろ?」



そういいながら、ぺろっとお芋を一本食べ終わっていた。


「緑涼~!」

「何だべ、火燐?」


「緑涼って嫌いな食べ物とか無いの?」


いきなりの質問にあっけにとられる緑涼。その光景を見て固まる椿・・・。



「おらは・・・無いな。だって好き嫌いは身体に悪いべや。だから、どんなにまずくても食べられるように努力するから・・・おらは無し!」



「ふ~ん・・・禮漸と蓮流は?」



「俺は・・・ないかも。蓮流は魚だろ?」


「魚って・・・一応、魚介類は身内だから。さすがに、身内出されても食えないわ。」



「そうなんだ・・・だって椿ちゃん(笑)」

「か・・・火燐さん(慌)」


「こいつ、俺らに食べられないものは無いか聞いてきたから、たぶん全員無しって答える

ぞって言ってやったけど、念のために俺らも聞こうと思って(笑)」


慌てる椿を不思議そうに見つめる緑涼。



「なしてそんなこと聞くべ?もしかして、食べられないものでもあるのか?」



「そうじゃ・・・ない・・・。」



「じゃ、どうし・・・」




「とにかく内緒なんです!!!!!!」



椿はそういうと、部屋に向って走って帰ってしまった。



(10・1 PM16:45)



「ふわ~ん(泣)何で・・・私から聞こうと思ったのに・・・。でも、とにかくみんな好き嫌い無しってことだし・・・。」



椿は、ネットのレシピを見ながらそうつぶやいていた。



「何作っても大丈夫・・・だよね?」



そこに映っていたレシピは、野菜を使用したお菓子やパンのレシピ。椿は、自分なりに作ったお菓子をみんなに食べてもらいたいと考えていた。



「和菓子?洋菓子?どっちがいいんだろう・・・」



そう考えながら画面を眺め、作れるかどうか考える。で、また探す。この繰り返しだった。



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