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魔法

「あ~。病院に行く? 私の地元に凄腕の精神系医療魔術師が居るけど」

 苦笑いしながら言う。

 精神科医に行けという事かと、翻訳する。

「いや、マジで地球から来たんですけど……」

 つーか、刻哉どこ行ったんだろ?

 俺とは別の所に飛んだのか?

 それとも……飛んでないとか?

 まぁ、考えても仕方ないから、当面の目的は刻哉を捜す事だな。

 居なかったら、一生捜すはめになるから、期限でも決めるか?

 刻哉を見つけてから、地球に帰る方法を考えよう。

 この世界に居なかったら一発殴ろう。

 彼女は脚を組んで椅子に座りながら思案顔で言う。

「精霊もちょっと違う所から呼び出したりするけど……」

 俺の処分に悩んでいるのかなぁ。

 置いてけぼりとかは結構キツいぞ?

 と、

「あっ! 私はあなたに構ってる暇なかった!」

 急ぎの用事でもあるのか、焦った表情で紙を投げつけて来た。

 パチンと顔に張り付いて、

「なんら?」

「金! あなたに上げるから、宿代払っといて!」

 金――世に生きる為には必要不可欠な紙。

 俺は金の偉大さを考えて、

「ありがとうございましたぁ!」

 思いっきり頭を下げた。

「じゃあね! 縁があったらまた会いましょ!」

 手を振りながら宿を高速で出て行った。

 いやあ、良い人だな。

 あれ? 置いてけぼり?

――――――――

 宿代を払い、残りの金を民家の裏にある空き地で数える。

 宿屋のばあちゃんに聞いたのだが、金は何ジュールという数え方らしい。

 後は日本と同じだ。

 で、物価はというと……良く分からない。

 売っている物が全く違うのだ。

 魔法はやっぱり存在した。

 魔法屋と呼ばれる物があり、魔法が売り買いされていた。

「魔法が売ってるとかふざけんなぁ!」

 と叫んだのは記憶に久しい (ほんの二十分前) 。

 しかし、魔法は売り買いされる物と自分で魔法を体得する物。

 形にして、魔法を押し込む事が出来ない為に魔法が売り買い出来ない魔法もあるらしい。

 売り買いされない魔法を覚えてぇと思っている。

 ここの世界の名前はプレテージ。

 魔法や、モンスターやらが徘徊する世界らしい。

「三万ジュールか……良い奴だったなぁ、アイツ」

 訳の分からない奴を放って置くという罪悪感から金を余分に渡したのかもしれないけど……。

 ポケットから青色の石を取り出す。

 魔法屋のじいちゃんにフリーズの魔法を買わされた (ここの世界の話を訊く為に) 。

 はぁ。

 魔力の出し方が全く分からない。

 フリーズに力を入れる。

「はぁあああああ!」

 ……………………………………………………。

 出ない。

「こうなったら、徹底的に練習してやるぅぅぅう!!」

 空き地で一日中魔法の練習をする事を決定した俺だった。

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