七騎士 ー セブンスナイト② ー
感想ほしいな~
とか思ってないんだからねっ!!(大嘘)
「えっ?2位のやつ?」
俺の質問に対して間の抜けた反応をするアカネ。
クロードとの顔合わせの後、クロードはそのまま神社に居場所が用意されているとのことでそのまま。
俺たち4人は自宅に帰ってきていた。
昼食の際に当然の疑問をぶつけてみた。
呼ぶのが3位以上と言っていた気がするので少なくてもクロード以外に後2人はこの街にやってくるはず。
所属というか、国籍が違う可能性が高いからタイミングが違うのはしょうがないのだろうが、名前や性別くらいは知っておきたい。
「リンのやつは…来るか分からんな。」
「リン?日本人の女なのか?」
「いや、女ってのはあってるが日本人ではないな。東南アジアのほうだったのは覚えてるが…アタシも話したことはないんだ。日本語もあんまり分からないらしいし。」
東南アジア、リン…
フィリピン…いや、ベトナム辺りか。
「ふむ。それで、ソイツはいつ日本に来るんだ?」
「いや分からん。ばあちゃん曰く、連絡はそこの支部を通して伝わってはいるみたいだけど返事とかはないみたいだ。ぶっちゃけあんまり期待はしてない。たまに行われる上位陣の会合みたいなのもあるんだけど、少なくてもその場でアタシは見たことないからな。」
なんだそりゃ。
協会2位の実力者ともあろう者が、あまりに非協力的ではないだろうか。
「じゃあそのリンとかいう女に関しては期待しないほうが良さそうだな。ってなると本命は1位の…ユリヤ、だったか。そっちはどんなやつなんだ?日本人なのか?」
そちらも名前としては日本人の可能性はありそうだ。
違うなら…ロシア辺りか。
「ユリヤ様は凄いのよっ!!」
それまで俺とアカネの会話をただ聞いていた
ダンッ!と机を叩いて興奮する杏。
姉さんも大きい音にビクッと体を震わせて驚いていた。
小型犬の分際で姉さんをビビらせやがって…
「どう凄いんですか?アカネがいなければ最強ってことだし、とても強いんだろうってことは分かりますが…」
無駄にテンションを上げている杏に投げる。
救われた、みたいなことを言っていたしソイツには詳しそうだ。
「彼女の能力【全能】はその名の通り、何でもできる。ありとあらゆる行動・現象・結果を望むままに引き起こすことができる、それこそアカネという例外中の例外がいなければ、他を寄せ付けない圧倒的存在として【神】のような扱いを受けていたでしょうね。」
これまたなんともあやふやな。
それでは全く説明になっていない。
何でもできると言うのは流石に大袈裟だろう。
興奮している様子からも分かるが、どうやら杏はユリヤという狩人の『厄介なファン』というやつなんだろうな。
ありとあらゆる、というのは一体どこまでを差すのか?
「杏さん、ありとあらゆる…というのはどういうことでしょうか?よく分からないんですが。」
「言葉通りの意味よ。あっ、1個だけ例外を忘れてたわ!『アカネを倒す』ということ以外の全てを可能とする、と言い直したほうが良いわね。」
「はぁ…。」
このクソチビが。
具体的に言えというこちらの要望が分かっていないのか?
「…どういうことか、姉さんは分かる?」
「いえ…私は彼女に会ったことはないから…。ただ噂は聞いたことがあるけれど、今杏が言っていたようなことだけで、私も詳しくは分からないわ。」
姉さんも俺と同じ状態だ。
もうこっちから具体例を提示してラインを見極めていくしかない。
「何でもできるというなら…例えばクロという例の鬼憑きのように『瞬間移動』とかもできるということですか?」
「もちろんよ。」
あっ、できるのね。
「じゃあ、空を飛んだりとか…もできるんでしたね、たしか。」
以前にそういう話をしたとき、元最強の狩人が可能だとかそんな話をしていた気がする。
「では…え~っと、なんでも良いんだけど…」
例えようにも範囲が広すぎてパッと出ない。
「透明人間になるとかは?」
「できると思うわ。」
……………………
「……分身の術とか。」
「見たことはないけど、できると思うわ。」
……………………
「性別転換とか。」
「やる意味があるかは分からないけど、できると思う。」
思わず姉さんの顔を見るが、姉さんも怪訝な顔をしている。
これじゃ本当に何でもできるみたいじゃないか。
「本当に出来ないことはないんですか?」
「あら?先ほど言った通りよ。『アカネを倒す』、それだけが不可能という感じね。」
それ以外は、何でもできる
本当にそんなふざけた力が存在するのか?
存在していいのか?
「ユリヤ様に対抗できるのなんてアカネだけ。アカネが今の立場となる前は……いえ、今だって彼女はその【神】の如き力で他の狩人を全く寄せ付けない異次元の強さなのよ。」
正直全く要領を得ないが、アカネには勝てないというだけのアカネと同等の怪物という認識でいた方がいいだろう。
「とりあえず、凄い人だという再認識はしました。それでアカネ、そのユリヤさんはいつ日本に来るんだ?」
そんな強者に来てほしくはないのだが、この際情報を得るためと考え直す他ない。
「うーん、分からないけどアイツはその内ひょっこり来るよ。」
「その内?ずいぶんテキトーだな。」
リンとかいう2位のやつのように、非協力的な存在なのだろうか?
しかし杏はソイツを尊敬しているようだが…
「いや、テキトーっていうか…まぁいずれ分かるよ。本人の準備なりなんなりが出来たらすぐに来ると思う。」
「……そうか。」
結局、ユリヤと言われる協会1位について分かったことと言えば、
・色々なことができる
・女
の2つだけだ。
途中で小動物に邪魔されたせいで国籍も年齢も分からない。
まぁ来たらすぐに顔を見れるだろうから、あまり深く切り込まないでおくか。
「じゃあ今後の動きとしては、アカネとユリヤさんで二手にバラけて討伐に出る。クロードさんは敵を発見したほうに向かって敵の捕縛、そういう感じだな?」
「そーゆーこと。これなら絶対に何が相手でも勝てる。ユリヤは強いからな。」
あまり悠長にはしていられないかもな。
コチラの目線で語るなら、3人の内…最低でも1人はさっさと処理したほうがいい。
面倒そうなクロード?
あるいはアカネ以下だが、何をしてくるか予想のつかないユリヤ?
アカネは…最終的にクロとユキのタッグでも無傷だし、今ではないな。
そこでふと疑問が浮かぶ。
「杏さん。話を戻してしまいますが、ユリヤさんは何でもできるとおっしゃいましたが、例えばクロードさんと同レベルの壁を作ったりなんてことは流石にできないですよね?」
それだと本当に怪物だ。
だが見様見真似で真似事のようなことができる可能性があるかもしれないので一応確認。
クロードを倒して安心してるところを、クロードが使うのと同じような壁に囚われてれば意味がない。
「えっ?できると思うわよ。」
できるんかい。
「…だったらクロードさんは必要なかったのでは?」
クロードに頼らずに敵を捕える壁を張って、そのまま何でもやって敵を殺せばいいだけだ。
「もちろんユリヤ様ならそれは可能だと思うけれど、1人で何でもやっていれば限界もいずれ来てしまうわ。負担は分散しないと、最強と言っても人だからね。アカネと違って。」
「おいっ!アタシは人間だぞ!」
確証はまだないが、おそらくはソレが弱点か。
アカネと違って限界はある、ということだ。
そして、それこそがアカネに勝てない原因なんだろう。
クロードを殺しても、ユリヤにはそれを補える。
対処しなければならない優先順位は、
最初の討伐対象は、
ユリヤ…お前にしよう。
皆様、お疲れ様です。
そしてごめんなさい。
ep.58 鬼憑き捜索ー目下の問題ーにて
大きい記載ミスがありました。
宙で自由に動けるような能力
についての説明時、
現役の狩人で言えば1人だけ。狩人協会の2位…かつては1位だった元最強の存在
という表記で書いてしまいましたが、
それは1位のユリヤのことであり、アカネの次にくる最強の立ち位置というのを強調したいがあまり、『2位』という表現をしてしまいましたが、あくまで協会の順位として1位であるので、謹んで訂正させていただきます。
(アカネは最強ではありますが、協会1位というわけではなく、順位が適用外となっております)




