七騎士 ー セブンスナイト➀ ー
お疲れ様です。
ダラダラと説明を続けたくないのですが、今までに出すところがなかったので仕方なく!
今後はまた戦闘のパートに入っていきたいと思っていますので、ある程度は盛り込ませてくださいね!
「菊様、茜様。お久し振りでございます。そして他の皆様は初めまして。私は狩人協会、合衆国支部筆頭、七騎士第3位のクロード・スミスと申します。どうぞ、クロードとお呼び下さい。よろしくお願いします。」
龍堂茜急襲事件から1週間ほど経過した。
龍堂神社でも4人の犠牲が出たためそれの後処理なんかも色々あって…そして今日、男は訪ねてきた。
ババアの執務室を訪れたクロードと名乗るその男。
肩より下まで伸ばしているプラチナブロンドの髪は姉さんと同程度にまで長い。
確実に歳は上ではあろうが年齢も若そうで、絶世の美男子と言って良い程の容姿。
それでアメリカのトップ、協会3位の実力者か。
天は二物を与えるもんだな。
…まぁ俺も能力を2つ持っているようなもんだし、人のことは言えないか。
「いやー、しかし久しぶりだな。クロード。」
「うむ。ワシが以前最後に会ったときは序列7位であったと記憶しているが、よくぞここまで成長したものだ。お主には期待しておるぞ。」
ババアやアカネは流石に面識があるようだ。
逆に初対面と思われる姉さんや杏は、その男の眩しいくらいの存在感に少し面食らっているようだ。
「は、初めましてクロード様。涼宮 杏と申します。日本語がとても達者でいらっしゃるんですね。」
「お噂はかねがね。天地神楽と申します。よろしくお願いします、クロード様。」
2人がクロードに向かいお辞儀をする。
杏のほうは少し緊張しているようだ。
「御二人のことは茜様より聞いたことがあります。とても仲のよい友人で、パートナーだと。ぜひ、私とも仲良くしていただきたいものです。」
その言葉に2人とも笑顔を浮かべる。
読む力でも分かるが、この色男も決して上部だけの言葉ということではなく、本心でこういう感じらしい。
稀にこういう人間もいるにはいるが、見た目が良いやつほど中身は下心満載みたいなやつも多いのだが…、ここまで行くとむしろ女には困っていないというか、余裕があるのだろうか?あるいはそもそも色恋に興味がないか。
好みの問題ということも考えられる。
姉さんに興味がない…ロリコン?
しかし、隣のちびっ子にも反応はないか…。
姉さんたちと男が互いに笑顔を浮かべながら簡単な自己紹介、談笑をしていると、唐突にこちらを向くクロード。
「それで、こちらの方は?」
そりゃそうだ。
この場で挨拶をしていないのは俺だけだった。
顔の良い男がいたらつい内面を探ろうとする癖があるために失念していた。
目的は勿論、姉さんに近づく資格があるかどうかを判断するためだ。
いつもは基本的に即決で【屑判定】をするため、会話の流れに気がつかないほど他を疎かにはしないのだが、粗探しに夢中になりすぎていた。
そして、大変遺憾なことに今のところこの男を排除しなければならない理由は見つかっていない。
「初めまして、俺は…」
そこまで言って今更過ぎる疑問が脳をよぎった。
俺の神通力の無力化については完全に秘匿事項のはずだ。
俺はコイツになんて自己紹介をすれば良いんだ?
コッソリ男の後にいる4人に目配せをするが、全員が『あっ』という表情で俺はゲンナリする。
今まで内輪だけで動いていたから外部の人間に対する取り決めを何ら決めていなかった。
「天地優人。そこにいる天地神楽の弟です。よろしくお願いします。」
とりあえずは無難だ。
年上なのは間違いないだろうから敬語で話しておく。
少なくても悪いやつではなさそうだし。
「なるほど。神楽さんの姉弟なのですね。美男美女の姉弟とは羨ましいですね。」
心にもないお世辞…ではなく、
心からのお世辞、というべきか。
「…あなたには負けますよ。」
一言だけ返しておいた。
「ふむ?ちなみにこの場にいるということは、やはり彼も?」
狩人なのですか?という問い。
クロードは振り返って俺以外に問いかけている形だ。
誰が答えるかは分からんが、それに追随して答えよう。
「うむ。コヤツは最近狩人となったばかりでな。能力も戦闘向けではない故、後方支援や調査を主に担当しておる。あまりお主と連れだって動くことはないと思うから、顔見せという意味で連れてきたのじゃ。」
…まぁこういう嘘をつかせるならやはりババアか。
内容も当たり障りのないものだし、俺が誤魔化そうとしても同じようなことを言うだろう。
「まだ毛が生えた程度ですが、一人の狩人として皆さんの足を引っ張らないように精一杯支援させていただきますね。」
ここはババアの発言に沿って初々しい新人でもやっておこう。
「What?『毛が生える』? 」
ふむ。
日本語が流暢すぎて気が回らなかったが、慣用句などは避けた方が良さそうだな。
「失礼しました。日本語の慣用句といって、元の状態…つまり普通の人間の時とほとんど変わらない未熟者、という意味です。」
「なるほど!日本のIdiomなのですね!実に面白い!」
パチパチと拍手をし始める色男。
よく分からんが、たまにいる日本が好きな外国人って感じだな、コイツは。
1人でニコニコ手を叩いている男だが、急にハッとした表情でその手を止める。
「おっと…私としたことが、ここに来た目的を忘れておりました。」
真面目な表情でババアのほうに向き直る。
「今回救援要請を受けるに当たって、この街で非常に危険な鬼憑きが現れた…という風にだけ聞いております。具体的にはどういったものなのでしょうか?」
クロードはまだ事件の詳細を知らないらしい。
というよりもババアが敢えて伝えていなかったのだろうか?
「ふむ、そうじゃな。まずは詳細を話しておこう。1週間前の話になるが…」
俺が藤沼を倒したという点だけ除き、あの日のことを説明するババア。
途中までは真剣そのものの表情だったが、段々と険しい…というよりは怪訝な表情を浮かべるクロード。
疑念が強く流れ出ている。
内心からも表情からもだ。
「茜様より速く、攻撃も当たらず、瞬間移動?そして茜様から簡単に逃げおおせる鬼憑き…?しかとそれが2体いるかも……HAHAHA!なるほど!本題の前のNiceなジョークというものですね!」
再びパチパチと拍手をし始める。
本人的にあまりに荒唐無稽だと感じたから、場を重くしないための冗談と受け取ったようだ。
しかし、場が和むどころか重苦しい空気に包まれていくのを肌で感じたのか、次第に真顔になっていく。
「…HAHA…HA………Really?」
「いえーす」
「……Jesus…」
アカネの抜けた肯定に驚きを隠せない様子だ。
まぁ年下を様付けで呼んでるくらいだし、アカネへの絶対的な信用のようなものがあったのだろう。
確かに神人だとか唯一人だとかめちゃくちゃ言われてるヤツだし、そうそう信じられることではないのか。
それに加えてこのクロードも協会3位の実力者。
自分も強者な分、尚更受け入れ辛いということだろうな。
「なるほど、よく分かりました。つまり私が呼ばれたのは…」
「ああ、そういうことだ。」
クロードとアカネは勝手に分かりあってるが、俺にはさっぱりだ。
「クロードにはクロ、あるいはその仲間と思われるシロと呼ばれる鬼憑きと遭遇した時、時間稼ぎをしてもらいたい!」
「へっ?」
アカネの言葉に疑問が浮かぶ俺。
しかし当の本人のクロードは勿論、他の面々は納得した様子で頷いていた。
「アカネ、どういうことだ?協会の3位という実力者に時間稼ぎをさせるっていうのは?」
アカネと二手に別れて討伐作戦…とかそういう話じゃないのか?
「いや、コイツの能力は足止めこそ向いているんだ。強者相手には特に。」
「はぁ…?姉さん、杏さん、分かりますか?」
足止めに向いてる能力で協会3位の強者?
分からないので2人に訊ねてみる。
「具体的には知らないけれど、噂はたくさん聞いたことがあるわ。クロード様は強固な壁を作り出すことができると。」
「壁?」
俺が分からずにオウム返しすると、クロードが補足として説明をしてくれた。
「私の神通力【偉大なる守護盾】は、ありとあらゆる神通力を通しません。そうですね、菊様と能力に少し近いものがあります。ただし、私の力は堅さに特化しております。」
「へぇ…。」
よくわからん。
堅いと言われてもそもそも想像がつかん。
…という感情を表情に出したつもりはないが、アカネがさらに補足をした。
「クロードの作る壁はめちゃくちゃ堅いぞ!捕まったらたとえアタシでも数分は抜け出せないからな。」
「マジか。それは凄いな。」
そういう分かりやすい指標があるのはありがたい。
最強のアカネを数分間封じることができるというのは確かに誰でもできる芸当ではないだろう。
しかし、攻撃手段はないのだろうか?
漫画知識やハヤテの家でやったゲームでは、こういうガードの堅そうなやつは戦闘の際に非常にめんどうな印象がある。
攻撃は通らず、逆に向こうの攻撃は嫌らしい…など。
もしいずれコイツと敵対することになれば対処法、弱点や攻撃手段はできれば把握をしておきたい。
俺なら神通力の無力化でその【壁】とやらを打ち消せるだろうが、もし万が一ユキやシロクロの2人が捕まった場合、抜け出すことは可能なのだろうか?
神通力を通さない、か。
ここが非常に気になるが、とりあえずはそれとなく話を進めよう。
「でもクロードさん。攻撃手段とかはないんですか?アカネの動きを止めれる壁なんて凄すぎて想像できませんが、敵を倒せなければ意味はないでしょう?」
クロードに直接訊ねる。
「あると言えばありますよ。美しくはありませんが…。」
「それはどんな?」
「ユウ君。初対面の人にあまり根掘り葉掘り聞くものではないわ。」
少しがっつき過ぎたか。
姉さんに窘められてしまった。
「いえ、良いんですよ。神楽さん。私たちは共に戦う仲間なのですから。」
どうやらこの男。
堅さに定評があるようだが、実際のところは頭も態度も口も相当に柔らかいと見える。
「私の壁を狭めるだけです。相手が出れない場合、確実に倒せます。」
それは…なるほど、たしかに。
出れなければ、それがそのまま『必殺』となる。
段々と、アカネですら数分出れないほどの強度を持つ壁が迫ってくる。
段々と身動きが取れなくなり、
最後には…グチャッ…って感じか。
確かに、美しくはないかもな。
これが、3位か。
そう言えば、1位や2位はまだ来ていないのだろうか?
2位のやつは名前すら聞いていないし、やはり上位陣の実力者は未知数だ。
早い内に情報を集めて対策をしなくては。
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