テスト終了 ー 郷愁と戸惑い ー
お疲れ様です。
今回でいよいよ70話目になりました!
最近はサボらずに2日1本を徹底(本日ギリギリでしたが)できてるお陰か、少しずつ読んでくださる方も増えてる印象です。
ただ1つだけ不安があるとすれば…
未だに感想0なんだよねぇ…
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「ユキちゃん?彼女は今は戦闘中よ。龍堂茜と。」
「……………はいぃっ!?」
思わず変な声が出てしまう。
「あら?なんでそこまで驚いているのかしら?」
「いやいや!アカネだぞ!?化け物だぞ!危険すぎる!」
驚くに決まっている。
アカネと戦うなんて、いずれ来るかもしれない最終決戦でしか戦う予定なんてない。
それをこんな序盤で…
気分的にはまだ2つ目の街だ。
伝説の剣も抜いていないし、バッチもまだ8個揃ってない。
そんなんでチート持ちのラスボスと戦うなんてありえない。
ユキは無事だろうか…
「久しぶりね、ユウト。」
「っ!?ビックリした!心臓に悪いな…」
突如として背後からユキが声をかけてきた。
読む力も発動しなかったということは本当にこの瞬間、ここに現れたのだろう。
「ふふっ。やっとユウトを驚かすことができたわね。」
ユキは嬉しそうに笑う。
可愛いからヨシ。
可愛いユキに見とれていたが、ユキの隣にこの前遭遇したケモ耳の少女の姿もあった。
「おっ、久しぶりだな。えーっと、クロ…さん?」
真っ黒なシロに、真っ白なクロ。
分かっていても、言い間違えそうになるから気を付けないとな。
「クロでいい。ワタシもお前をユウトと呼ぶ。よろしく。」
「ああ。こちら、こそ…?」
よろしく、と続けようとしたがクロは何故か俺の目の前まで寄ってきたかと思うと、俺の身体の周りをクルクルと周り始める。
「あ、あのー?どうしたんだ?クロ。」
「ユウト、やっぱり不思議な匂いが…良い匂いがする。」
足を止めて再び正面に立つクロ。
すると鼻をクンクンと震わせながら正面から抱きついてきた。
「…!?こらっ!クロ!私のユウトに何をするの!?すぐに離れなさい!」
ユキが怒る。
俺もユキを怒らせたくはないからクロをなんとか引き剥がそうとするが、俺の両腕ごとガッツリホールドされていて、全力で腕を広げようとするが全くビクともしない。
アカネに抱きつかれた時と同様の感覚だ。
「ユウトの匂いがよっぽど気に入ったのね。そういう子だから悪いけど諦めてね。」
悪いけど、とは言うがシロは全く悪びれていない。
「ダメよ!そこは私の場所なのよ!!んぐぐぐ…!!」
ユキも後ろから全力で引っ張るが、おそらく純粋な腕力なら俺以下だろうからまるで話にならない。
「あらあら。モテモテねぇ、ユウト?これは私も参戦したほうが良いのかしら?」
シロが悪い顔をして余計なことを言っている。
「どちらかと言うと、クロを止めてほしいもんだがなっ!」
俺とユキの抵抗むなしく、クロはまるで柔軟剤が香る干し終わりのタオルに顔を埋めるように俺の胸に顔を擦り付けている。
「良い匂い。落ち着く。」
「落ち着かないでよ!このっ…!!」
ユキが神通力を纏う。
何かする気だろうか?
協力関係を結ぶというなら攻撃的なことはするべきではないが…
途端に抱き締められていた感触が消え失せる。
「うわっ!?…ふぎゅ!」
というより、『俺』が消え失せていたようだ。
ユキが俺を無理矢理手前側に引っ張ってきたのだろう。
やはり凄い力だ。
気付いたときには終わっている。
もしユキの力を防ごうと言うのなら常に神通力の無力化を発動していないとまず抵抗できないだろう。
「あっ!?こら!ユキ!何をするんだ!」
何故かクロが怒る。
対してユキは余裕の態度を見せつけた。
「あら?ユウトは私のパートナーなのよ。クロにはあげないわ。」
そう高らかに宣言し、俺に抱きついてくるユキ。
クロと同じように俺の胸に顔を擦り付けてくる。
可愛いので目の前にある頭を撫でてやると『エヘヘ』と小さく笑ってまた顔を胸に埋めた。
「あー!ワタシの真似をするな!せっかくワタシの匂いを付けようと思ったのに!」
「あなた本当に獣みたいね!そんなのマーキングじゃない!シッシッ!!」
「くっ、負けるかぁ!!ユウト!ワタシも撫でろ!!」
一瞬で駆け寄ってきたクロが俺を抱きしめるユキごと抱きついてくる。
「こ、こら!離れなさい!私のユウトに近づくのは許さないわよ!!」
ユキも必死で抵抗するが、やはり力技では話にならないようだ。
「…ユキも良い匂いがするなぁ。」
不穏なことを言い出してユキの背中に顔を擦り付け始めるクロ。
それがむず痒いのか、あるいは単純にくすぐったいのか。
ユキは少し顔を赤らめて遂には助けを求める。
「ちょっ、ちょっと!何するのよ!シロ!見てないでこの子をなんとかして!」
「ふふっ、仲が良くて何よりね。」
クロと同様に目にも追えない早さで俺の後ろにシロがやってくる。
どうやら素直に助けてくれるようだな。
ユキごと俺を抱き締めているクロの手を剥がそうと、シロの手が段々近づいていって…
そのままスルーして俺とユキを抱き締める形になった。
後ろからシロ、前からクロ。
俺とユキは2人から、2方向からホールドされてしまう。
「ちょっ!?シロまで何をしているのよ!」
ユキはシロに文句を言うが、シロは逆に大きな翼を広げて俺たちをさらに囲う。
「あらあら。これは…すごく良いわね。」
とても落ち着いた声でつぶやくシロ。
何が良いと言うのだろう。
「いい加減に…」
ユキはおそらく、また能力による脱出を試みたのだろう。
神通力を纏っていったのだが、突如としてそれが消え失せてしまう。
言葉も途切れ、ただ俺を…違うな。
俺の後ろのシロを見ていた。
ちなみに俺はまだ何もしていない。
俺の神通力の無力化ではなく、ユキ自身が能力を使って逃げることをやめたのだ。
そして俺の読む力による感情の流れを感じる。
シロとクロには通じないので、
つまりはその感情の持ち主はユキになる。
戸惑い、疑問。
なぜ、そのような感情が発生するのか。
シロの顔は見えない。
だからクロの顔を見る。
泣いていた。
「こうしていると…なんだか昔を思い出すわね、クロ。」
「うん。すごく、懐かしい感じ。良い、匂い。」
すぐ後ろから聞こえる声も涙混じりのような気がする。
2人にとってこの行為は、何か特別な…重要な意味があったのだろうか。
それを聞くにはまだ出会ってからの時間が短すぎるだろう。
何が何だか分からず、俺とユキは顔を見合わせ、とりあえず解放されるまでの間、大人しく抱き締められることにしたのだった。
投稿済みのエピソードの添削、テコ入れを進めております。
後書き(前書きだったかも?)のほうに
○月○日テコ入れ~
みたいなものが書いてあればとりあえず個人的にOKかなって感じになってます。
初期が酷すぎましたからね…
同じく章設定なるものがあることにも気付いたので、第3章まで設定してみました。
ちなみに添削、テコ入れに関しては第2章までは終わっているのでよろしければご一読ください★




