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退屈は僕を殺したい  作者: おどろん
第五章 組織襲撃 編

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テスト結果と真相

お疲れ様です。

どこで区切るべきかに悩みまくる今日この頃。

仕事をサボりながら(笑)チマチマ書き進めております。

2日に1回更新を目標として頑張っていますが、安定してきたら1日1回投稿できるように頑張りたいと思います!

応援してくださいね!!

「ありがとう。先生。」


迷いなど起きないと自負していたが、

実際に『殺し』を経験し、そしてそのことに自分が全く動じていないことを確信できた。

迷いどころか姉さんに対して悪意を向けた蛆虫をこの世から1匹駆逐できたという喜びの方がとても大きい。

これは貴重は経験となるだろう。

コイツが絶命したであろう時、俺の中で()()が変わった気がする。


それは覚悟だろうか。

それとも決意、あるいは…希望だろうか。

まだよくわからない。


目の前で尽き果てた元体育教師の肉塊に一抹の感謝をして振り返る。


「こんな感じだが、果たして俺は合格を貰えるのか?」


黒く美しい翼をたたみ、ソコに立っているシロに確認をする。

彼女の表情はまさに、ご満悦と言う(ほか)ない。


「ええ!あなた、素晴らしいわ!クロに聞いていた通り…いえ、聞いていた以上に不思議で、とても面白い存在よ。」


パチパチと拍手をして俺を称賛する。

よほど俺のことを気に入ってくれたようだ。


「それじゃあ正式に手を組むって方向で話を進めても良いのか?」


俺の言葉に拍手していた手を止め、俺の顔を真っ直ぐに見てくる。

その目の眼力に貫かれているだけで動けなくなりそうだ。


「手を組む?何のことかしら?」


口元には笑みを浮かべているが、その目は再度こちらを試しているように感じた。


「ユキと話しが通ってるんだろ?とはいえ、ユキはここにはいないようだから、クロと一緒に『テスト』を行っているところ…って感じか。」


シロの口から笑みが消え去り、驚いてる…ように見える。


「…何故そう思うのかしら?」


「最初に違和感を覚えたのがここに来る前。シロの言った台詞だ。『能力を使ってはダメ』。これは俺の能力を知っている…最低でも俺が神通力を有していることを把握してないと出ない台詞だ。クロにもシロにも、俺はなにもしていない。なのに能力があると、確信したような言い方だった。ユキから聞いてるんだろ?俺のことは4人を除いて狩人側すら知らないことだからな。」


まぁ能力はともかく、存在くらいはソコに散らばっている死体たちも知っていただろうがな。


「…それだけでは弱いわね。クロが変な感じがすると言っていたの。その段階で私にとっては『普通』の枠から外れているわ。能力があると思うのも当然よ。」


シロからのダメ出しが入る。

無論、それだけが理由ではない。


「後はこの場所だな。偶然にも全く同じ場所でした、なんてことは当然あり得ない。前に俺が鬼憑きと戦ったココのことは狩人側かユキ以外には知られていないはずだ。まぁその戦った鬼憑き本人はもちろん知っているが、そいつはユキの指示で今は身を隠させている。シロが気配を殺して見ていた場合、シロが言っていた『見ていないから』という発言に矛盾する。シロやクロに狩人協会への裏の繋がりがあるというのなら俺には判断することができない。『テスト』という観点から見ればこちらが分かりようがないことを聞いてくるとは考えづらい。つまり、俺からするとユキ以外にはそもそも選択肢がないんだ。」


そこまで言うと、シロはうんうんと頷いて納得したような仕草を見せる。


「なるほどね。()()()()()からは色々聞いているけれど、評判通り…いえ、大きく期待を上回っているわ。」


シロもユキとのやり取りを認めた。

これでユキの安全も保証された上、この二人と手を組むという話もかなり良い方向に進んでいることが分かる。

今回の『テスト』も、シロの反応を見る限り好感触だから期待できるのではないだろうか。


「ちなみに評判って?」


ちょっと気になる。

ユキが第三者に俺のことをどう伝えたのかが。


「そうね。簡潔に言うと…頭が良くて、肝が据わっていて、顔がカッコいいとかそんな感じで言っていたわね。」


「…なんかしょうもないと言うか、あんまり具体的な内容がないな。」


内容が無いよう…なんつって。


「後は…急にものすごく下らない事を言い出すことがあるとか?」


「……………………」


「あら?どうしたの?なんだか苦虫を嚙み潰したような顔をしているわ。」


「なんでもないです。それだけですか?」


「なんで急に敬語?そんなにかしこまらなくても良いのよ。後はあなたの特技や能力についてかしらね。神通力の無力化(ニュートラライズ)という唯一無二の能力に加えて、非常に高い戦闘センスと気配察知能力の高さをかなり高く評価しているようだったわ。」


「そうか。」


どうやらユキは俺の読む力(リーディング)に関しては伏せているようだ。

どうせこいつ等には通用しないし、ある意味無いようなものだ。

このまま伏せておいて問題ないだろう。


「それでどうだ、実物は?カッコいいか?」


肘を曲げて上腕二頭筋を見せつける。


「可愛いわね。」


舌なめずりをしてこちらを怪しい眼差しで見つめてくる。

このふざけ方は何となく危険な匂いがするので止めておこう。


「ユキちゃんの話も、正直恋人を自慢しているだけの惚気(のろけ)にしか聞こえなかった。でも実際にユウトを見て確信したわ。ユウトと私たちは手を取り合える。お互いに協力しあえると。」


手を差し出してくる。

シロ達の望みを聞く前に首を縦に振って良いものか、少し悩む。

しかし、たとえどれだけの難題に協力しろと言われたとしても、それは『龍堂茜を倒す』という俺たちの目標よりは容易のはずだ。


ユキがこちらの目的まで話しているのかは分からないが、最も重要なのはコイツらと敵対をしないということ。


「ああ。改めまして、天地優人だ。よろしく。」


シロの手を取り、しっかりと握る。

柔らかく、ひんやりしたその手は普通の女性の物と何も変わらないように思う。


「こちらこそ。今度、クロをちゃんと紹介するわ。そう言えばメグちゃんにも会いたいわね。機会があればで良いから。」


「そう言えば面識があるんだっけか?なんでメグに?」


特に意味はなく聞いてみた。


「だって、すごく可愛いじゃない。」


「…なるほど、納得だ。」


分かったことが一つ。

シロは可愛いものが好き、と。


まぁそんなことはどうでもいいのだが、もう一つ気になることがある。


「ところで、ユキは今どうしているんだ?」


おそらくは俺のように『テスト』を受けている可能性が高い。

クロと一緒に何かをしているのだろうが、まぁユキなら何をするにも問題ないはずだ。

それこそアカネと戦うとかでもない限りは敵なしだからな。



「ユキちゃん?彼女は今は戦闘中よ。龍堂茜と。」


「……………はいぃっ!?」



それは、今日一番の驚きであった。

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