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退屈は僕を殺したい  作者: おどろん
第五章 組織襲撃 編

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バラバラ

「また鬼憑きが出たんだ。今夜も動くぞ。」


「………………ソウデスカ。」



また鬼憑きが出た



同じ街にこんな短期間で鬼憑きが出るのはたいして珍しくはないのだろうか?


…いや、そんなはずはない。


本来、基本的に鬼憑きというのは協会側で行った儀式で神通力を獲得した者の内…能力に溺れて異形となったり、怪物に成った者を指す。

俺みたいな例外がいるとしてもそれはかなり稀なパターンであるはずだ。


つまりは絶対数が少ないのだ。


そんなにポンポン鬼憑きが発生するようでは、それに伴い被害も当然増えていくだろう。

であれば、それはとても一般人に隠し通せるものではなくなる。


…まさか高橋(アイツ)がユキの支配から逃れようと?

しかし見た目…顔?も既に弄っているとユキから聞いていたし、そう簡単に狩人に見つかるとも思えないが…

そもそもユキに心酔しているとのことだったから逃げること自体が考えづらいか…?


「…それって前に逃げたヤツってことか?」


とりあえず聞いてみる。


「いや、多分別だろう。今回の鬼憑きは結界を張っているし、場所もヤツと戦った雑木林の近くだ。わざわざ自分がひどい目にあった場所に戻って痕跡を残したりなんかしないだろ?」


「…それだけじゃないよな?根拠としては弱いように思うが。」


いくら何でも早計だろう。

高橋(アイツ)が結界を張らなかったのか、張れなかったのかは狩人側は全く把握できていないはずだ。(ちなみにユキが聞いたところ、そもそも結界の存在すら知らなかったらしい)

それに場所だって見方を変えればなんら不自然ではない。

たとえば復讐の可能性は無くはないだろう。


それも第三者の視点ならば、だけどな。


「今回の被害だが、死人が出ている。それも2人だ。」


「そうなのか。…()()()()()だったんだ?」


そう聞くと少し言い辛そうにしていたが、俺を一瞥するとすぐに口を開く。


「上半身や下半身…腕やら足とか、身体の部位が不自然に千切れていたんだ。バラバラだ。」


「不自然に千切れる?また妙な言い回しだな。」


身体が千切れる、なんて悲惨な結果に不自然もクソもない気がするが。


「例えばだが鬼憑き…まぁ狩人もだけど、神通力を得たものは基本的に身体能力の向上の傾向も見られる。鬼憑きは特にそれが顕著でな。人を積極的に襲うようなヤツはそれこそ能力うんぬんは関係なく、()()()で人体を引きちぎって殺すようなヤツだって過去にもいた。だが今回のはそう言うのとは違う。」


「どう違うんだよ?とても綺麗に切断されていた…とかか?」


それなら切断とか分断のような物に特化した力ということになるが。


「いや、逆だ。()()()()んだ。まるで内側から爆発して弾けとんだみたいにな。」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


時刻は0時。

俺は深夜の街を散策していた。

そもそも駅前以外はそこまで栄えていない街だし、こんな時間にもなると人影はほとんどなく、静けさだけが広がっていた。

前回のように街を見て回っているのだが、今回は姉さんも討伐作戦に参加している。

街の中心に近い駅をセンターにして北から西にかけて姉さんが、南から東にかけて俺が捜索を行うこととなっている。

中央部がアカネでどちらで犯人を見つけたとしても即座に向かえる算段というわけだ。

ちなみに杏も前回同様で家から現場を中継していた。


「そう言えばアカネ。今回のターゲットは結界を張ったとのことだが、お前は気付かなかったのか?俺の時…闇女は例外として、結界を張ったらアカネなら気付けたみたいな話だったと思うが。」


インカム越しでアカネに問いかける。


『もちろん気付いたさ。闇女でもなければアタシが気付きもしないなんてあり得ない。少なくてもこの街で起きてることならな。』


自信満々といった様子で言うが、事実その通りなのだろう。

しかしそれでは何故被害者が、それも2人も出ているのだろうか?


「被害者のことは、間に合わなかったということなのか?あるいは遠くて気付くのが遅れたとか?」


『違うの、ユウ君。』


聞こえてくるのはアカネの声ではなく、姉さんの声だ。


『アカネは結界を感知してすぐに現場へと向かったの。少なくてもこの街周囲のことなら距離なんて有って無いようなものよ。アカネにとってはね。』


「まぁ、アカネだもんね。なら何で…」


被害者が出たのか?

と問おうとしたところで、今度はアカネ本人から言葉が続けられる。


『今回の犯人は結界を張って()()に及んだんじゃない。わざわざ死体を例の雑木林に運んでから結界を張っていたんだ。アタシは結界を感知してから30秒後くらいには現場に着いていた。しかし、そこには何の人影もなかった。全力で付近を捜索したが、あるのはただのバラバラ死体が2人分だけ。』


「えっ?それじゃあまるで、」


『罠っぽいよな。』


っぽいというか、罠としか考えられないくらいだ。

つまり、その結界の意味は犯行を隠すためではなくむしろ逆の意。

犯行を知らせるための結界だということだ。

作為の匂いしかしないが…。

もしやマジで高橋(ヤツ)の線も…?

いや、殺しの方法的にヤツの可能性は低いか。

それにアカネから逃げおおせる程の隠匿能力、あるいは速さ…


ん?…速さ?


一瞬、頭の中に二体の異形の鬼憑きが思い浮かぶ。


あいつらの速さなら、アカネからも問題なく逃げきれるのか?

しかし、その目的は?

そもそもヤツらが犯人とも限らないが…。


『ん?』


唐突に耳から聞こえる疑問の声。

発し主はアカネだ。


『どうかしたの?アカネ?』


サポート要因として家にいる杏がアカネに問いかける。


『んー、多分気のせいだ。』


気の抜けた返事だ。


『アカネ、あまり任務中にボーッとしているのは感心しないわね。』


姉さんからの叱責も入る。


『いや、別にボーッとしてたわけではな……ザザッ!!………』


アカネは即座に言い訳を述べようとするが、

直後に大きい雑音が聞こえたかと思うと、アカネのインカムの通信が切れてしまった。


「…アカネ?なんだ?電波が悪いのか?」


電波の悪さか機械の故障か。

考えられるのはその線だと思っていたが、杏の見解は違った。


『いいえ。この通信機は協会の特別製よ。普通の通信機より大幅に性能は強化されているわ。街ひとつをカバーするには何も問題ないはず。特にアカネがいるのは街の中央付近。通信状況は極めて良好だったわ。…ついさっきまでは。』


『では無線機の性能による問題ではない…ということですね。つまり、』


『ええ。問題が発生したと見るべきね。それもアカネが不意を突かれるほどの異常事態が。』

お疲れさまです。

Xを始めてもうすぐ3週間といったところですが、

100名近い作家の方達にフォローしていただいて気付いたこととして、やはり投稿ペースというのが非常に大切なんだと思いました。

職業や家族構成的にまとまった時間が取れないのはしょうがないとして、自分は無駄に文字数など(他の方と比べて)多いような気がしたので、そこらへんを気にしつつ、なんとか毎日か2日に1本ペースで上げられたらなぁ…

と考えておりますです。 


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